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カナダカナダ(Canada)

面積(k㎡):
9,984,670
海岸線延長(km):
202,080
人口(百万人):
35.9
人口密度(人/k㎡):
3.6
GDP(bUS$):
1,653.00
一人当たりGDP(US$):
46,068.10
主要鉱産物:鉱石:
鉄、チタン、亜鉛、銅、ニッケル、ウラン、モリブデン、プラチナ等
主要鉱産物:地金:
亜鉛、銅、鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム等
鉱業管轄官庁:
連邦:Natural Resources Canada
鉱業関連政府機関:
Impact Assessment Agency of Canada、Canadian Nuclear Security Commission、Geological Survey of Canada、各州・準州の政府機関(州地質調査所等)
鉱業法:
州政府ごとにことなる
ロイヤルティ:
NT準州/NU準州:連邦が定める鉱業法に従う その他:各州・準州の定める鉱業法・鉱業税法等に従う
外資法:
Investment Canada Act
環境規制法 (環境影響調査制度、環境・排出基準の有無等):
連邦:Impact Assessment Act、Canadian Environmental Protection Act、Environmental Enforcement Act、Fisheries Act、Navigable Waters Protection Act、Species at Risk Act等
NT準州/NU準州:連邦法(Canadian Environmental Protection Act)
その他:各州・準州の定める環境規制法や環境保護法等
鉱業公社(環境):
QC州:Ressources Québec(ケベック資源公社)
鉱業活動中の民間企業:
Vale、Rio Tinto、Glencore、Teck、Cameco、Newmont Goldcorp、Barrick Gold、他
最終更新日:
2020年02月06日

1.鉱業一般概況

カナダは、政治経済的にも安定した世界有数の資源国である。10の州と3つの準州から構成されており、資源は国土全体にわたって賦存している。

連邦政府が立法・行政権を持ち、ユーコン準州(YK準州)、北西準州(NW準州)、ヌナブト準州(NU準州)の準州は限定された自治を有している。

連邦政府及び各準州政府は鉱業活動促進すべく、インフラ整備の強化、鉱物資源戦略の策定、鉱業促進策の実施等を通じて北部での企業による探鉱、開発活動を積極的に支援している。近年では、YK準州を皮切りに、連邦政府から各準州政府への土地や資源に関する権限の委譲(Devolution)が進み、準州政府による独自の鉱業法の制定も進んでいる。

鉱物資源生産額は「金、石炭、カリウム、鉄鉱石、銅」の5種が2/3を占める。
特にカリウムは埋蔵量が世界2位、生産量が世界1位でいずれも世界シェア2割以上と、世界市場に対して大きな地位を占めていると同時に、2013年までカナダ最大の生産額を誇る鉱産資源。

他の鉱種は国内生産金額では上位を構成するが、世界でみると準主力生産国というポジション(鉄鉱石と銅の世界シェアは数%で、ランキングは10位前後)。ただし、ダイヤモンドとウランという特殊な鉱物ではダイヤモンドが世界シェア約15%で3位、ウランがシェア20%超で2位という独特のポジションを持っている。

カナダの主要鉱物資源の埋蔵量
鉱 種 カナダ(A) 世 界(B) (A)/(B)(%) ランク
亜鉛(千t) 3,000 230,000 1.3 9
ニッケル(千t) 2,700 89,000 3.0 9
金(t) 2,000 54,000 3.7 8
ニオブ(千t) 1,600 9,100 17.6 2
セレン(t) 6,000 99,000 6.1 5
テルル(t) 800 31,000 2.6 3
モリブデン(千t) 100 17,000 0.6 10
白金族(t) 310 69,000 0.4 5
ウラン(t)  [< U$130/kg U] 514,400 6,142,200 8.4 3
カリウム(百万t)  K2O 1,200 5,800 20.7 2
コバルト(千t) 250 6,900 3.6 5
鉄鉱石(百万t) 2,300 84,000 2.7 6

出典:USGS, Mineral Commodity Summaries 2019 / OECD / IEA, Uranium 2018(ウラン)

2.政治経済

<略史>
1867年 英領北アメリカ法によりカナダ連邦結成(自治が認められたが,外交権及び憲法改廃権は英国に帰属)
1928年 日本と外交関係樹立
1931年 ウェストミンスター憲章により実質的に独立
1982年 1982年「1982年カナダ憲法」により,英国から憲法改廃権を完全移管
1867年 英領北アメリカ法によりカナダ連邦結成(自治が認められたが,外交権及び憲法改廃権は英国に帰属)
1928年 日本と外交関係樹立
1931年 ウェストミンスター憲章により実質的に独立
1982年 1982年「1982年カナダ憲法」により,英国から憲法改廃権を完全移管

カナダは10州3準州から成る連邦国家で、積極的に移民を受け入れ、多様な民族構成と多文化主義を誇りとする政治的に安定した国家である。

2015年10月の下院総選挙の結果、自由党が与党・保守党制し、2006年以来の与党を奪還、トルドー内閣が成立した。政権としての最優先事項は、中間層の減税及び最富裕層への増税措置のほか、大規模なインフラ整備を進めている。国際的には、シリア難民受け入れや気候変動対策及び持続可能な開発目標(SDGs)へ積極的に参加している。

2019年10月の下院選では、自由党が過半数割れとなるも、第一党の地位を死守し、トルドー政権が継続することとなった。

3.鉱業政策

カナダにおける鉱物資源政策の権限は、連邦政府と州政府に分かれている。連邦政府は、天然資源省(NRCan:Natural Resource Canada)が、同国の鉱物資源政策の枠組み、州際取引や国際協力に関わる政策について決定権を持つ。天然資源省にはエネルギー政策局、エネルギー技術&計画局、地球科学局、鉱業&金属局、カナダ森林局などの部局がある。州政府は、州域内の天然資源に対する権限を有する。

行政組織一覧
連邦政府
Natural Resources Canada(天然資源省)
州政府
AB州 Ministry of Energy(エネルギー省)
ON州 Ministry of Northern Development and Mines(北方開発・鉱山省)
QC州 Ministry of Energy and Natural Resources(エネルギー・天然資源省)
SK州 Ministry of Energy and Resources(エネルギー・資源省)
NL州 Department of Natural Resources(天然資源省)
NB州 Department of Energy and Resource Development(エネルギー・資源開発省)
NS州 Department of Energy and Mines(エネルギー・鉱山省)
BC州 Ministry of Energy, Mines & Petroleum Resources(エネルギー・鉱山・石油資源省)
MB州 Department of Growth, Enterprise and Trade(成長・企業・貿易省)
YT準州 Department of Energy, Mines and Resources(エネルギー・鉱山・資源省)
NT準州 Department of Industry, Tourism and Investment (産業・観光・投資省)
NU準州 Aboriginal Affairs and Northern Development Canada(連邦先住民問題・北方開発省)
1)連邦環境影響評価プロセス見直しの動き

連邦政府は、2016年8月より連邦の環境影響評価プロセスの見直しを目的とした専門家によるパネルレビューを実施し、2017年4月に「Building common ground: A new vision for impact assessment in Canada」を公表した。これには①既存の「環境評価(Environmental Assessment)」を「影響評価(Impact Assessments)」とし、環境だけでなく、経済、社会、文化、健康を含んだ評価基準を設け、②「包括的な紛争解決を行う準裁判所」の設置により連邦政府の権限強化を図り、③評価期間を利害関係者全員の合意が得られるまでとして実質の無期限化、という内容の提言がまとめられた。

2018年2月には上記提言を踏まえ、①カナダ環境影響評価法に代わって影響評価を専門に扱う新機関IAA(Impact Assessment Agency)の設立、②IAAの掲げる評価項目として、持続可能性(気候変動対策等)、累積的な影響、地域特性、ジェンダー、代替手段及び代替プロジェクトとし、③透明性と確実性の向上として、先住民と国民の参加機会の拡大、予測可能で一貫したタイムライン(IAAの評価期間は300日(以前は365日)、パネルレビューは600日(以前は720日))、等の連邦政府の方針を発表した。しかしながら、石油等の業界団体はこれらの内容は環境認可プロセスの不透明性を増すものだとして改正に反対している。

2019年6月には、本内容を反映した法案C69「The modernization of the National Energy Board and Canadian Environmental Assessment Agency」が最終的に可決された。

2)CANADIAN MINERALS and METALS PLAN

2019年3月、連邦政府は「人的、社会的、経済的、環境的に持続可能な鉱業」を実現するための行動計画CANADIAN MINERALS and METALS PLAN(CMMP)を発表した。これは1994年に連邦と各州政府が合意したWhitehorse Mining Initiativeを発端として作成された、持続可能な鉱業を達成するための連邦政府の長期の鉱業政策方針を定めた計画案となっている。「国際競争力」、「先住民参加」、「環境」、「科学技術開発」、「コミュニティ」、「世界的リーダーシップの獲得」の6項目からなる。

3)鉱業税制

連邦政府は、探鉱会社及びそれに投資する投資家への税優遇措置である探鉱開発税額控除(Mineral Exploration Tax Credit)制度を2019年以降の5年間延長した。これにより、フロースルー株式を購入する個人投資家は、100%の所得控除に加えて、更に15%の税額控除が認められる。

各州の税制優遇措置に関しては、2019年1月、BC州が独自に実施している20%の税額控除BC Mining Exploration Tax Credit(BCMETC)及びBC Mining Flow-Through Share Income Tax Credit(BCMFTS)の恒久化が発表された。また、2019年現在、ON州、MT州、SK州でも税額控除制度が引き続き運用されている。

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