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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアメタル ニッケル
2004年3月5日 アルマティ 酒田 剛

ボツワナのPhenixニッケル鉱山、2003年は大幅な増産・増益

Lionore社(豪州)の発表によれば、同社の子会社であるTati Nickel社が経営するPhenixニッケル鉱山(ボツワナ)の2003年のニッケル生産量(精鉱中金属量)は11,509tで前年の144%増、生産コスト(キャッシュコスト)は2.37USドル/ポンドで11.8%増であった。浮選プラントの拡張工事が2002年に完了したことが増産に寄与した。また浮選プラントのニッケル回収率は2002年の80%から2003年の89%に向上している。  Tati Nickel社の2003年の売上は153,620千USドル、操業利益は57,819千USドル、純利益は34,214千USドルで、前年のそれぞれ8.3倍、11.7倍、18.6倍と大幅な増収増益であった。売上に占める金属別比率は、ニッケル82.4%、銅9.9%、白金族6.7%、金0.2%、その他0.8%である。  また、同社は2003年にPhenix鉱床の南方延長の探鉱を実施した。土壌地化学異常域に対し、物理探査ののち、東西120m南北150mのグリッドでダイヤモンド・ボーリングを実施した。本ボーリングは地化学異常域の66%をカバーしている。2003年第4四半期には、資源量評価のため、孔間を埋める30m×50mの詳細ボーリングを開始した。孔間ボーリングを実施した後、2004年にPhenix鉱床の北方延長についての概査ダイヤモンド・ボーリングを計画している。ボツワナに同社が有するもうひとつのニッケル鉱床Selkirkへのボーリング調査は、Phenix鉱床の評価に集中するため、第4四半期に中断した。  さらに、同社は加温加圧式溶媒抽出法(Activox技術)による山元でのニッケル等金属の回収を目指しており、実証試験プラントを製作中で、2003年に8.5百万USドルを投資した。 (2003. 3. 8 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ Boliden社の鉱山部門、2003年は生産増rn Boliden社(スウェーデン)の発表によれば、2003年の同社の総売上高は9,545百万クローネ(前年比0.1%減)、操業利益は19百万クローネの損失、税引前利益は251百万クローネの損失、純利益は13百万クローネ(90%減)であった。  うち鉱山部門の売上高は2,791百万クローネ(23%増)、操業利益は369百万クローネ(94%増)であった。金属生産量(精鉱中金属量)は銅93,706t(19%増)、亜鉛178,644t(18%増)、鉛18,658t(2%増)、金5,124kg(1%増)、銀272,085kg(3%増)であった。現地通貨の対ドル為替レートが高くなったものの、金属価格の上昇と生産増、製精錬費の低下、生産性の向上が増収増益に寄与した。生産増は、Boliden地区のStorliden鉱山の増産と、カナダのMyra Falls鉱山の生産再開が寄与した。Garpenberg地区で発見されたLappberget鉱床の探鉱は順調に進み、亜鉛、銀そして特に鉛が高品位であることが判明し、2004年中の生産開始が可能になった。鉱山別内訳は下表のとおりである。 鉱山rn 生産量rn Boliden地区(スウェーデン) 銅23,801t(+68%)、亜鉛76,910t(+22%)、鉛2,656t(-17%)、金2,677kg(+2%)、銀71,207kg(-2%) Garpenberg地区(スウェーデン) 銅531t(-21%)、亜鉛44,314t(+19%)、鉛16,002t(+7%)、金216kg(-24%)、銀123,278kg(-1%) Aitik地区(スウェーデン) 銅58,687t(+2%)、金1,383kg(-10%)、銀55,176kg(+16%) Myra Falls鉱山(カナダ) 銅10,687t(+58%)、亜鉛57,420t(+14%)、金848kg(+37%)、銀22,424kg(+20%)  製錬部門の売上高は5,905百万クローネ(10%減)、操業利益は225百万クローネ(-9%減)であった。金属生産量は銅214,181t(5%減)、亜鉛33,549t(3%減)、鉛24,208t(36%増)、金12,275kg(21%減)、銀456,565kg(12%増)であった。生産減は、年当初の銅精鉱不足、Ronnskar製錬所の補修停止のためである。金属価格の上昇があったものの、生産減、製精錬費の低下、ドルの下落により減収減益となった。  鉱山部門と製錬部門は黒字であったが、銅加工品部門と技術部門が赤字であったため、グループ全体では操業利益が赤字となった。同社はOutokumpu社(フィンランド)の鉱山・製錬部門の買収と、Outokumpu社への銅加工品・技術部門の売却を2003年末に完了させている。それにより同社は世界第4位の亜鉛製錬会社になるという。 (2004. 3. 9 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ ニッケルの2003年の生産量と消費量rn 国際ニッケル研究会の2004年2月報によれば、ニッケルの2003年の鉱山生産量は1,293.6千t(前年比3.7%増)、一次ニッケル生産量は1,205.9千t(前年比1.9%増)、消費量は1,227.1t(5.0%増)であった。2003年は前年に引き続き北東アジア諸国(中国、韓国)の需要増が特徴的である。特に中国の消費量は1998年の42,000tから2003年の123,000tへ5年で3倍近く伸びている。鉱山生産では、ロシア、インドネシア、ニューカレドニア、コロンビア、中国が2003年の生産量を伸ばしている。その一方で豪州、カナダ、ブラジルが生産量を減らした。国別の鉱山生産量、一次ニッケル生産量、消費量は以下のとおりである。 2003年の鉱山生産量rn 順位(前年) 国名rn 鉱山生産量(千t) 対前年比(%) 1rn ( 1) ロシアrn 240.0rn +2.1rn 2rn ( 2) 豪州rn 192.0rn -7.7rn 3rn ( 3) カナダrn 162.7rn -13.5rn 4rn ( 5) インドネシアrn 158.2rn +30.1rn 5rn ( 4) ニューカレドニアrn 112.0rn +12.0rn 6rn ( 6) キューバrn 78.0rn +3.7rn 7rn ( 7) コロンビアrn 70.8rn +21.7rn 8rn ( 8) 中国rn 61.5rn +12.7rn 9rn ( 9) 南アrn 42.7rn +8.9rn 10rn (10) ブラジルrn 36.0rn -4.5rn     世界計rn 1,293.6rn + 3.7rn 2003年の一次ニッケル生産量rn 順位(前年) 国名rn 一次生産量(千t) 対前年比(%) 1rn ( 1) ロシアrn 260.0rn +8.7rn 2rn ( 2) 日本rn 164.4rn +4.2rn 3rn ( 4) 豪州rn 128.7rn -2.7rn 4rn ( 3) カナダrn 121.7rn -15.7rn 5rn ( 5) ノルウェイrn 77.7rn +13.4rn     世界計rn 1,205.9rn +1.9rn 2003年の消費量rn 順位(前年) 国名rn 消費量(千t) 対前年比(%) 1rn ( 1) 日本rn 188.6rn -1.4rn 2rn ( 4) 中国rn 123.0rn +34.3rn 3rn ( 2) 米国rn 116.0rn +0.9rn 4rn ( 6) 韓国rn 98.8rn +18.8rn 5rn ( 3) ドイツrn 93.2rn -12.6rn 6rn ( 5) 台湾rn 92.0rn +1.1rn 7rn ( 7) イタリアrn 58.0rn +3.4rn 8rn (10) フィンランドrn 56.4rn +39.2rn 9rn ( 8) フランスrn 46.6rn -12.1rn 10rn ( 9) スペインrn   46.5rn -1.1rn     世界計rn 1,227.1rn +5.0rn  消費量が急増している中国では、2002年の鉱石自給率は59.6%、地金自給率は58.4%であった。2003年は1~11月期の生産は鉱山生産が前年同期の11.6%増の56,527t、精錬生産が20.8%増の60,050tとなっているが、需要増はそれ以上の34.3%増であるため、自給率はそれぞれ50%台前半まで低下する見込みである。 (2004. 3. 9 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ Anglo Platinum社、2003年も増産なるも減収減益rn プラチナ鉱業の最大手Anglo Platinam(AP)社(本社南ア)の2003年の業績は、2003年に引き続き白金の生産量は増産であったが減収減益であった。親会社のAnglo American社が発表した。  それによると、AP社の2003年の金属生産量(精錬量)は、プラチナ2,307.8千オンス(前年度比2.5%増)、パラジウム1,190.9千オンス(6.8%増)、ロジウム232.5千オンス(9.8%増)、金116.1千オンス(8.4%増)、ニッケル22,100t(13.9%増)、銅12,900t(22.9%増)であった。生産場所別に見るとAmandelbultの比率が最も大きく全生産量の27.3%を占め、ついでRustenburg(定常操業分)の24.2%、Unionの13.5%と続くが、これら定常操業の地区はUnionを除いて生産量が減少している。2003年の生産増は、Rustenburg UG2の生産が58.3%増加したこと等立ち上げプロジェクトの生産が順調に伸びてきていることが寄与した結果である。  一方、売上高は、ランド建ての純売上高は161.0億ランドと前年比18%減であった。前年に比べて、米ドルに対するランドのレートは28.2%もランド高となっており、仮に前年と同じレートだったと仮定すると、総売上高57.2億ランドも増加する計算となる。さらに操業利益は33.8億ランドで60%減、純利益も20.9億ランドで64%減であった。これは、生産規模拡張のためのコスト増やインフレ圧力により全体の生産コストが20%も押し上げられたため。  AP社は2006年までにプラチナ精製量を3.5百万オンスに増やすことを計画していたが、最近のランド高等を理由に2006年までに精製量を2.9百万オンスにする目標に変更した。増産プロジェクトは、Polokwane製錬所とRustenburg坑廃さい処理炉が立ち上げられ、ACPコンバーター・プロジェクトもフル操業に向けて立ち上げ中である。またWestern Limb廃さいプロジェクトのフェーズ1はスケジュールを前倒し、Aquarius PlatinumとのKroondal地区における隣接鉱床の共同開発については昨年11月に合意に達し、Bafokeng-Rasimone、Rustenburg UG2、Modikwaプロジェクトの生産レベルは上昇し続けている。 (2004. 3. 9 ロンドン 嘉村 潤)目次へ ロシアの2003年PGM生産量、白金は21%増、パラジウムは5%増rn 2/26付けのwww.giredmet.ruサイトは、ロシア連邦財務省のAleksei Ulyukaev次官の発言として、同国の2003年における白金生産量が対前年比21%増、パラジウム生産量が同5%増であったと伝えている。  これによれば、これら生産量のデータは、採掘量ベースなのか、あるいは製錬所における生産量なのか確認されていない。(PGM(白金族金属)の生産量の中には、リサイクルなどによる回収分が含まれている可能性もある。)  また、これとは別に、Johnson & Matthey社は、同国のNorilsk Nickel社による2003年のパラジウム販売量が約92tであったと推測しているが、Norilsk Nickel社は法制上の問題から未だデータを公表できないとしている。  なお、インター・ファックス社によれば、Norilsk Nickel社のLeonid Rozhetskin副CEO は、2003年に生産した全てのパラジウムは販売に供され、2004年の生産予定分を対象とする販売契約もすでに締結されていることを明らかにしている。  ロシアのPGMに関する種々のデータは、サイド情報に乏しく裏付けは非常に困難であるが、当事務所が入手したいくつかのデータを参考までに以下に示す。 PGM採掘量の98%は、Norilsk Nickel社によるものである。 PGM製品の91%は、Norilsk Nickel社によって生産されている。 (以上、ロシア科学アカデミー鉱床地質・地化学研究所(IGEM)からの情報) 2003年のパラジウム輸出量は67tであり、この他27tがStillwater社(米)の買収のためにロンドンの銀行に売却された。 (Eurasia Mining社(英ジュニア)エカテリンブルグ駐在事務所からの情報) (2004. 3. 5 アルマティ 酒田 剛)目次へ おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。 trnt 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