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ニュース・フラッシュ

2006年2月13日 サンティアゴ 中山 健

チリ第Ⅲ州環境委員会(COREMA)今週Pascua Lamaの認否を決定

 2月8日付け地元各紙によると、第Ⅲ州環境委員会(COREMA)は今週火曜日または水曜日(2月14日または15日)にPascua Lamaプロジェクトの開発に対する認否を裁定する。
 第Ⅲ州COREMAのスポークスマンであるCopiapo県知事Antonio Prado氏は、2月7日、ロイター通信社に「14日に審査を開始し、一両日中に結論を出すことになった。本プロジェクトを承認するか却下するか、何れにせよこれが最終決定となる」と語った。
 Pascua Lamaはチリ第Ⅲ州のアルゼンチンとの国境地帯に位置する金鉱床で、Barrick Gold社が15億ドルをかけて開発を計画しているプロジェクト。この鉱床が開発されれば世界最大級の金鉱山となるが、開発には万年雪層の一部を移転する必要があることから、地元の環境保護団体による激しい反対運動が持ち上がった。Barrick Gold社が提出した環境影響調査書にも幾つかの質問や否定的論評が寄せられ、会社側はこれら質問や否定的論評に対する回答書を提出していた。
 第Ⅲ州COREMAを構成する16人の委員が、14日から、163頁にのぼるBarrick Gold社の回答書に対する審査を開始する。会社側は本プロジェクトが環境的にもフィージブルであることを終始主張してきたが、審査の結果がどの様になるか不明であるが何れにせよ、Pascua Lamaに対する最終的な裁定はBachelet次期政権誕生の1か月前に下されることになる。
 なお、Barrick Gold社は同じ第Ⅲ州にあるCerro Casale金・銅プロジェクトの開発の可能性もPascua Lamaが承認されるか否かにかかっているという。両プロジェクトの同時開発が可能になれば、相乗効果で、Cerro Casaleの開発費が1億ドル安くなると見込まれており、金価格が長期的に400ドル/oz台を維持するであろうと見られていることも相俟って、同プロジェクトも完全にフィージブルとなるからである。Cerro Casaleプロジェクトについては、その権益51%を所有していたPlacer Dome社が本案件は採算性がないと判断して開発を断念した。一方少数株主のArizona Starと Bema Goldは同プロジェクトがフィージブルであると主張してPlacer Domeの持分を買い取る交渉を行っていたが、Barrick Gold社がPlacer Dome社を買収したことによりBarrick Gold社によるPascua LamaプロジェクトとCerro Casaleプロジェクトの同時開発の可能性は高まったが、これには、Pascua Lamaプロジェクトに対する第Ⅲ州COREMAの判断が大きな影響を与えるものと考えられ、その動向が注目される。

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