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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2006年2月20日 バンクーバー 宮武修一

カナダ・Nova Gold社、Galore Creek銅金プロジェクトについて先住民族Thaltanと開発に向け合意

 2月13日、在バンクーバーのNova Gold社は、カナダBC州の主要プロジェクトGalore Creek銅金プロジェクトについて、先住民族Thaltan(タルタン)中央協議会とParticipation Agreementを締結し、開発に向けての合意に至ったことを報じた。これにより当面のハードルはクリアされたことになり、同社は2006年第1四半期のうちにも州政府に対し環境アセスメントと開発許可を申請する見通し。今後2007年早期の生産を目指すという。
 Galore CreekプロジェクトはBC州北西部に位置する州最大の探鉱・開発プロジェクトで、2005年10月の時点で埋蔵鉱量は5億1,600万t(measured +indicated)、銅0.6%、金0.36g/t、このほか予測鉱量として5億7,800万t(inferred)、銅0.41%、金0.42g/tが計上される。粗鉱処理量は65,000t/日、20年越の生産期間で、初期投資額としては11億カナダドルが見込まれる。
 現在BC州では大小合わせて22の鉱業関係の開発許可申請がなされているが、こうしたプロジェクトの約半数は州北西部、ゴールデントライアングルとも呼ばれるタルタン先住民族の居住地区に集中している。今回Nova Gold社とタルタン中央協議会との合意内容は、一つの標準となる可能性があり、後続のプロジェクトへの影響も小さくないとみられる。両者による合意の大筋は、(1) タルタンの伝統的な権利とNova Goldの探鉱開発権利を相互に認定、(2) 開発許可取得に向けた相互協力、(3) 環境保全、(4) タルタンの雇用と職業教育、(5) タルタンへの物販ビジネスの機会提供、(6) 補償金として毎年最低100万カナダドル以上をタルタン基金へ納付、(7) 投資家とプロジェクトに対するタルタンの全面的な協力の確約、というもの。
 BC州の探鉱開発投資をこれまで妨げてきた要素の一つに、先住民族の権利関係についての不透明さ、調整の困難さが指摘されていた。しかし最近はこうした状況も徐々に改善に向かっている模様。BC州の先住民族に関して、2004年には最高裁により、州政府および連邦政府が先住民族と直接協議を行う義務を負うことが明確化された。これに伴い企業側の負担は大きく軽減、州政府が交渉の多くを担うことで先住民地域での投資も考慮しやすくなったと言われる。他方、タルタン先住民側においても、地域間での分裂や、代表者の信任問題など、しばしば内部調整の問題から企業との調整も困難になりがちであった。しかし、開発を見送る不利益は徐々に浸透、また2007年に予定されるEskay Creek鉱山の終掘も視野に入り、雇用と数億ドルとも見込まれる経済効果について、新たな生産を求めてゆくことは切実な課題となっており、合意が促進し易い状況となっている。

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