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ニュース・フラッシュ

2006年5月23日 サンティアゴ 中山 健

チリ・アルゼンチン産天然ガスの供給停止が頻繁化し、チリ産業界に甚大な被害

 地元紙等は、5月17日に、2006年のアルゼンチン産天然ガスの供給停止が過去最高の頻度と量に達していると報道している。
 チリ政府はアルゼンチン政府と液化天然ガスの供給協定を締結して、天然ガスの供給を100%アルゼンチンに依存しており、産業界からは以前からその脆弱な供給体制を批判されていた。天然ガスの供給停止で特に深刻な影響を受けているのはチリ首都圏の産業界で、最近は供給停止が頻繁な上、16日及び17日は供給を100%カットされてしまったため、操業の停止を余儀なくされた。
 Poniachik鉱業エネルギー大臣は、天然ガスの供給停止は寒波によるアルゼンチン国内消費量の一時的増加とチリへの流送パイプのメンテナンスが重なったためであると説明している。
 こうしたチリ国内の天然ガス供給問題と時を同じくして、アルゼンチンはボリビア産天然ガスの輸入量を大幅に増やす交渉を行っているが、ボリビア側から現在の天然ガスの輸出価格3.2US$/百万BTUを5.5US$に引き上げたいとの通告を受けている。アルゼンチンのKirchner大統領は、ボリビアから輸入する天然ガスは全量チリに転売するのだから、価格交渉はチリとボリビアがやれば良いと発言。これに対し、ボリビアのMorales大統領は、直ちに、ボリビアがアルゼンチンに輸出する天然ガスは一滴たりともチリに転売してはならないと激しく反論している。ボリビアは全国民悲願の海への出口を求めてチリと二国間交渉を開始することを熱望しており、ボリビア産天然ガスのチリへの供給はその際の交渉の大切な切り札と考えているからである。
 チリ側としては、アルゼンチンを通じてボリビア産天然ガスが購入できれば、供給の安定化につながるため、価格が上昇しても止むを得ないと考える企業が多いようである。しかし、同じくボリビアの天然ガスを輸入しているブラジルもアルゼンチンが価格上昇に応じることを懸念しており、アルゼンチンに外交圧力をかけるのは確実と見られており、アルゼンチン、ボリビアの交渉がまとまるかは不明である。

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