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ニュース・フラッシュ

2006年5月24日 バンクーバー 中塚正紀  2006. 5. 24 アルマティ 酒田 剛

モンゴル・超過利得税導入

モンゴル政府は5月12日、同国の資源開発に対し銅や金の市況価格に応じて課税される超過利得税(Windfall Tax)を課する法案が可決されたと発表した。この法案は金属の価格に上限を設けそれ以上の価格には、価格の68%をモンゴル政府に支払うというもの。例えば、銅価格は1.18US$/lb以上、金は500US$/oz以上に対し68%が課せられる。現在の銅価格は4US$/lb、金価格は700US$/oz。現在、インドネシア、アフリカ、ベネズエラ、ペルーなどで、権益の新制度導入で外国企業を威嚇する動きが多く見られる中、モンゴルは1997年からオーストラリア、カナダ、アメリカの鉱業法と同様の法律を導入し、成功報奨金制度も用いるなど、世界中からの投資の積極的な誘致を行い、常に投資企業と協力的な政策を貫いてきた。2005年は世界全体の探鉱投資額の4%がモンゴルに充てられ、既に約6,000件の探鉱許可が800社に発行されている。 今回の超過利得税導入によって、モンゴルが外国企業と築き上げてきた信頼関係が崩れることは必至で、今後のリスクに不安を訴える声が多く上がっている。モンゴルとロシアが合弁で事業を行っているErdenet鉱山の収益性に大きな影響を及ぼし、ロシア側が被る経済的損失は甚大な額になるとみられる。また、カナダのCameco社が株式の53%を保有するCenterra Gold社は、現在、モンゴルで金を生産しており、同様に大きな痛手を負うことになる。 モンゴルの資源に早くから注目し、巨大な埋蔵量を誇るOyu Tolgoi銅・金鉱床を発見し、毎年約1,000万US$を投じて開発準備を行っているカナダのIvanhoe社は、今回のモンゴル政府の発表を受け、カナダのモンゴル大使館を通じ公式な書簡を提出。書簡の内容は、業界との話し合いもなくこの法案が可決されることは非常に驚くと共に失望している。またこの事で、既に開発運営している外国企業や、海外に開かれた投資環境に悪影響を及ぼすであろう事を懸念している。現在のモンゴルの鉱業法は巨額の探鉱投資資金を得ると当時に雇用の創出にも大きな役割を果たしていることなどを述べ、今回のモンゴル政府の行動は間違いであることを強調している。今後、法案は大統領の署名により、可決されることとなるが、大統領は多くの意見を取り入れ、モンゴルにとっての利益をよく理解した上で、判断をすべきとしている。

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