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ニュース・フラッシュ

2006年7月4日 サンティアゴ 中山 健

Phelps DodgeによるFalconbridgeとIncoの買収発表に対するチリ国内の反響

 6月28日付地元各紙は、前日のPhelps DodgeがFalconbridgeとIncoを買収するとの発表を受けて次のとおり報じている。
 Phelps DodgeがFalconbridgeとIncoを買収しても、CODELCOの銅生産世界No.1の地位は揺るがない。チリの産銅業界では、2005年に、CODELCOが銅の年間生産量1.8百万tをあげ、第1位を占めている。次いで、英豪資本のBHP Billiton(Escondidaの57.5%、Cerro Coloradoの100%を保有)が822千tで第2位、英国資本のAnglo Americanが631千tで第3位である。9月に、Phelps DodgeによるFalconbridgeとIncoの買収が実現すると両社のチリに於ける生産量は(Falconbridgeが保有するCollahuasiの44%、El Abraの51%を含め)516千tとなり、Antofagasta Mineralsの478千tを抜いて第4位に進出する。
 しかし、世界の生産量で見ると、CODELCOの第1位(世界全生産量の15%)は変わらないが、Phelps Dodge、Falconbridge、Incoの生産量は同12%に達し、BHP Billitonを抜いて第2位に躍進することになる。
 チリの有識者は、この合併について次のとおり語っている。Centro de Estudios del Cobre(銅研究センター)の専門研究員は、「この合併が実現すると、Phelps DodgeはCODELCOに次いで世界第2位の銅生産会社になる。銅価格が3$/lbを超える高値を続けている現在、大手産銅会社は巨額の手持ち資金を抱えており、他社を買収・吸収合併し、操業のスケールアップを計って世界市場に於ける自社の供給比率を高めるアグレッシブな戦略をとる会社が増えても不思議ではない。この合併を機に、今後も他社による企業買収・合併劇が繰り返され、現在の銅産業界が再編される可能性もある」と語っている。
 SONAMI(チリ鉱業協会)のOvalle会長も同意見で「少数のより大規模な企業が業界を牛耳るような傾向が出てくるだろう。タイヤ、エネルギー、機械設備類等の価格が軒並み歴史的な高水準に値上がりしているので、鉱山側も幾つかの鉱山を平行して操業し規模の経済によるコスト削減を狙う必要が有るからだ。これこそ銅価格高騰で手に入れた多額の利益を投資する最も良い方法である」と述べている。
 カトリック大学の鉱業センター長Gustavo Lagos氏は、「この合併で産銅業界は強化されるだろう。特にチリで操業する産銅メジャーは5社に絞られるので、安定感が増す」と語っている。

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