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ニュース・フラッシュ

2006年7月4日 ジャカルタ 池田 肇

フィリピン・環境天然資源省、Rapu Rapu鉱山シアン流出事故を教訓に鉱業環境対策を公表

 6月19日フィリピン環境天然資源省(Department of Environment and Natural Resources:DENR)は、Rapu Rapu鉱山(Albay州、豪系Rafayette Mining社所有)で2005年10月に発生した2回のシアン排水流出事故に関する政府調査委員会報告書を公表し、本事故の教訓を生かして、全鉱業プロジェクトを対象に以下の対策を講じることを明らかにした。
1.鉱山隣接地域は鉱滓流出や鉱業活動に伴う事故で、地域住民の生活環境破壊や健康被害が発生する危険性があるため、住民の健康と生活環境を保全するための基金(People’s Health and Environmental Protection Fund(PHEPF))の創設を検討する。
2.鉱山周辺の地表水、大気、土地使用、森林、生物多様性、自然災害等と鉱山操業との関連を議論し問題解決を図る広域・多部門環境委員会(RMECs:Regional Multi-Sectoral Environmental Councils)を新設し、併せて同組織はPHEPFの管理を担当する。
3.環境天然資源省が所管するモニタリング調査機能を拡充するため、県レベルに多部門環境委員会(Provincial Multi-Sectoral Environmental Councils)及び多分野モニタリングチーム(Multi-Partite Monitoring Team)を設置し、鉱山会社の活動を監視する。
4.今回のシアン流出に関し、Rapu-Rapu鉱山周辺及びSorsogon地域住民の健康被害調査のため、フィリピン大学医学部(UP-PGH)と健康省(Department of Health)とが協力して疫学的調査プログラムを企画し実施する。
5.鉱石生産に関し、報告書指摘事項につき国家歳入局(BIR:Bureau of Internal Revenue)に調査を依頼する。
6.Rapu Rapu鉱山の操業を一時停止に伴う不利益に関し、多分野の専門家からなるグループを組織し調査を行う。
7.鉱山活動、鉱業行政に焦点を当て、独立性の高い鉱山局を再構築するための提案書を作成する専門調査委員会を創設する。
 上記のほか、DENRは環境審査を徹底し、環境モニタリングシステム及びその基準を強化、鉱山会社に対し社会的責任を明確にさせ、事故再発防止に取り組むとしている。
 なお、DENRは、全ての環境保護措置が整ったとしてRafayette Miningに対し、30日間の暫定操業許可(TLO:Temporary Lifting Order)を与えた。

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