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ニュース・フラッシュ

2006年7月18日 サンティアゴ 平井浩二

チリ・El Teniente廃さいダムの流出事故による環境汚染-政府の対応が議員の反発を招き政治問題化-

 7月8日から14日にかけて、地元各紙はEl Teniente鉱山(CODELCO社所有)の廃さいダムから重金属や硫酸塩を含む選鉱廃さいが流出した事件で、政府の対応が国会議員の反発を招き、政治問題化していることを報道した。
 この事件は、4月15日にEl Teniente鉱山のCarén廃さいダムから選鉱廃さいが流出、Carén川とその流域の農用地を汚染し、多数の魚や家畜が死亡した他、農産物に多大の被害を与えたものである。
 この事件が今になって大々的に報道されているのは、政府がCODELCOに一般企業より甘い環境基準を適用するための大統領令を公布しようとしており、これに反発した与野党の国会議員団が同大統領令の公布を阻止するための運動を展開しているからである。
 CONAMA(全国環境委員会)は、2000年に液状廃棄物を含む産業廃棄物の排出基準に関する大統領令第90号を公布。この排出基準は2006年9月から適用が開始される予定である。一方、大統領府は2005年にCODELCOの事業所から排出される廃棄物に適用するため特別な基準を定めた大統領令第80号(案)を策定、国家検査院(Contraloría General de la República)は6月30日付けでこの大統領令を公布することを承認した。
 こうした政府の動きに対し、上下両院の与野党議員団が「国営企業には一般企業より厳しい基準を課するのが当然なのに、Carén川の廃さい流出事故の直後にこのような大統領令を公布することはチリ国及びCODELCOの国際的イメージを損ねる」と猛反発し、下院の天然資源委員会にCarén川の汚染事件に関するCODELCOの責任を調査・追及するよう指示するとともに、どのようにして大統領府が検査院総裁に大統領令の公布を承認させたのか、その事実関係を調査・報告するよう求めている。

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