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ニュース・フラッシュ

2006年8月1日 バンクーバー 宮武修一

Inco社、Falconbridge社買収を断念

 Inco社による対Falconbridge社買収提案につき、締め切りである7月27日深夜の時点でInco社提案に応募した株式総数は、提案成立の最低条件である50.01%に届かなかった。Inco社は翌7月28日、これ以上の期限延長を選択せず、約9か月におよんだFalconbridge社の買収を断念することを発表した。公開買い付けの不成立に伴い、Inco社提案に応募しデポジットされた株式は元の株主に返却される。
 敵対的買収側のXstrata有利とみられる中、Falconbridge社との友好的買収を目指すInco社は、カナダ全国紙に連日全面広告を掲載するなど約10%の株式を保有する個人株主に応募を訴えたほか、ヘッジファンド(約35%)、また長期保有前提の機関投資家(約25%)らとの協議を重ねた模様。7月27日の時点でInco社の株式プラス現金の条件はFalconbridge社一株あたり65.27C$の価値を示したが、結局Xstrata社提示の全て現金による62.50C$の魅力にはおよばなかった。Inco社は再度期限を延長するのではないかとの見方もなされていたが、紙上アナリストは将来的な50.01%の確保についても見通しが立たなかった模様と解説する。
 Xstrata社によるFalconbridge社の買収提案については、カナダ投資委員会の承認が得られておらず、ひとつの焦点となっていたが、7月26日には承認が報じられ、こうした障害も取り除かれた。Inco社の買収断念により、今後Falconbridge社はXstrata社により完全買収される方向と見通される。他方、Inco社は今後Phelps Dodge社との友好的合併に向かうことになるが、地元紙には現在競合するTeck Cominco社以外からも新たなオファーが現れる可能性が指摘されている。
 Inco社、Falconbridge社合併の不成立に伴い、双方にペナルティが発生する。両社の合併を前提としたFalconbridge社・Nikkelverk精錬所のLionOre社への売却は中止。これに伴いInco社はLionOre社に対し3,250万US$を支払うことが求められる。他方、Falconbridge社は、Inco社に対して1億5,000万US$のペナルティを支払うほか、Falconbridge社が今後Xstrata社により獲得される場合、Inco社に対して更に3億US$の支払いが課されることになる。

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