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ニュース・フラッシュ

2006年8月8日 バンクーバー 宮武修一

Teck Cominco社、Inco社株式買い受け条件を増額

 Teck Cominco社は、8月5日、Inco社に対する敵対的TOBに係る株式買い受け条件を増額し、Inco社一株当たり、現金40C$およびTeck Cominco社クラスB株0.5281株で交換すると報じた。現金部分を従来提示の28C$から43%増額したのが特徴で、逆に交換株式は既存の0.6293株の条件から低減した。こうした現金に重点化した新条件は、先のFalconbridge社の帰趨から、短期的利ざやを求める米系ヘッジファンド株主に応募を訴えようとする動きである。Teck Cominco社の新条件は発表時点の時価換算でInco社一株あたり83.60C$となるが、この額は対抗するPhelps Dodge社の友好的オファー、20.25C$プラス0.672株、一株当たり86.67C$よりも3C$程度低い。にも関わらず、現金部分の大きさなどから、地元紙アナリストらはTeck Cominco社有利の見方で一致しており、今後Phelps Dodge社は再度新たな条件を提示する可能性が高いのではないかと見通している。
 Teck Cominco社CEO、Lindsay氏は、Teck Cominco社によるTOBの場合、カナダ企業でありカナダ投資委員会のクリアが必要ないこと、またTeck Cominco社株主による承認についても二重構造の株主構成から創業家であるKeevil一族らが議決権を握っており何ら問題ないこと、更に応募締め切りを8月16日と明確に定めているなど、Phelps Dodge社提案に比較して、すっきりとした提案となっていることを強調している。Phelps Dodge社の提案の場合、カナダ投資委員会の承認および同社株主の承認は未だで、また応募の締め切りも9月中ということで明確にされてはいない。第三者による新たなTOBもささやかれる中、今後の見通しについてLindsay氏は、「第三者の参加があるとは考えにくいが、一連のカナダニッケル大手のM&Aは、現在世界で進行しているM&Aの中で最大かつ最も複雑なものであり、今後あらゆる可能性が生じ得るのではないか」と述べた。

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