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ニュース・フラッシュ

2006年8月8日 バンクーバー 宮武修一

Falconbridge社を巡るM&A、ヘッジファンドの果たした役割

 Inco社とXstrata社の間で展開したFalconbridge社獲得の攻防は、7月28日発表のInco社の撤退によって幕が引かれた。カナダ地元紙の一致した見方として、このキャスティングボートを握ったのは米系ヘッジファンドであり、より短期の利ざやを求める株主が、中長期の統合効果を見据えた株主に数で優っていたことが指摘されている。
 2005年8月にXstrata社がBrascan社からFalconbridge社の19.8%の株式を購入し、将来的な完全買収を匂わせる発言を行ったが、これに伴い、短期的な利ざやを求めるヘッジファンドがFalconbridge社株式の取得に動いた。こうしたヘッジファンドにより取得された株式は全発行株式の40%程度にまで達したとみられている。ヘッジファンドにとって、2社の統合効果など基礎的な分析にはほとんど関心は無く、提示される現金額こそが重要事であった。現金によって速やかに投下資金を回収できるのであれば、即座に次の投資機会に運用可能であり、金融的な自由度も膨らむ。他方、株式交換では、現金化に時間を要し、加えて市場リスクを伴うため、ヘッジファンドにとっては、おのずと避けられる選択枝となる。Falconbridge社を巡るディールを巡っては、サドベリーの統合効果など、中長期的な視点ではInco/Falconbridgeの合併がより合理的であり、最大効果が得られる選択であったことに疑いはなかったが、結局こうしたヘッジファンドの動向が、全額現金による買い受けをコミットしたXstrata社との統合を促したとみることができる。

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