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ニュース・フラッシュ

2006年8月15日 バンクーバー 宮武修一

ブラジル・CVRD社、Inco社へのTOBを発表

 鉄鉱石生産最大手のブラジルCVRD社は8月11日、Inco社株式の公開買い付けを行うことを発表した。全て現金による買い付けで、一株当たり86C$を支払う。買収総額は167億C$。8月14日の新聞紙上で正式に広報したのち45日間の応募期間を設ける。オファーの成立条件は、Inco社株式の3分の2の獲得、関係許認可の取得である。買収提案はInco社に対する事前の相談を欠く一方的なもの。
 現在、CVRD社は時価総額で世界第4位、Inco社は11位であるが、Inco社の獲得が成功すれば世界第2位の鉱山会社が成立することになる。CVRD社は両社の統合効果を5億2,000万US$と見込む。この多くはCVRD社が開発を進めるブラジルOnca-Pumaニッケルプロジェクトから由来し、Inco社が有する2.75%のロイヤルティの消滅だけで、年間1億5,000万US$のコスト削減が見込まれるという。
 Inco社の正式なコメントは現在のところ報じられていない。しかし過去においてInco社CEO Hand氏は、鉄鉱石ビジネスに対し強い関心を持っていたという。鉄鉱石は、銅・ニッケルと同様、中国にとって必要不可欠であるものの、同国内に乏しい資源であること、他方銅・ニッケルとは異なり、長期契約主体でスポットの市況に左右されにくいコモディティであることがその理由という。
 Inco社の獲得を巡っては、友好的な合併買収の相手方であるPhelps Dodge社と、敵対的なTOBを仕掛けるTeck Cominco社が競合関係にあるが、ここにCVRD社が割って入り、新たな様相を呈することになった。8月11日の終値に基づけば、現在の三社の買収提案は以下のようにまとめられる。先のFalconbridge社の獲得合戦を巡っては、現金部分に関心の高いヘッジファンドがFalconbridge社の帰趨に大きな役割を果たしたが、Inco社の株主構成もFalconbridge社と同様で、ヘッジファンドが35~40%程度を握る構造であるという。

Inco社買収提案企業 株式買い受け条件(Inco社1株) 締め切り
CVRD社 86C$   8/14より45日間有効
Teck Cominco社 40C$ + 0.5821 Teck株 (86.04C$) 8/16締め切り
Phelps Dodge社 20.25C$ + 0.672 PD株 (88.52C$) 9/7までの応募を期待
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