閉じる

ニュース・フラッシュ

2006年11月14日 シドニー 永井正博

過熱する南オーストラリア州のウラン探鉱

 ウランのスポット価格は、世界最大のウラン生産者であるカナダCameco社のCigar Lakeウラン鉱山の出水事故を契機として高騰している。
 しかし、オーストラリアのウラン生産者は高騰するウラン価格の恩恵を受けられないでいる。というのは、オーストラリアの生産者には売るべきウランは残されていないからである。現在のウランの輸出は、ウラン価格が高騰する前の契約で行われており、スポット価格が60US$/lb(U3O8)であるのに対し、12~18US$/lb(U3O8)で売られていると言われている。オーストラリアのウラン生産者が価格高騰の恩恵を享受するには、(1) ウラン価格が引き続き高いこと、(2) 現在の供給契約ができるだけ早い時期に期限切れとなること、(3) 新規開発により高価格の契約ができることのいずれかである。
 こうした状況下であるが、オーストラリアでウラン開発が先行しているのは、既存の2鉱山を有する南オーストラリアである。現在の南オーストラリア州の鉱山は、Olympic Dam鉱山(位置:Roxby Downs、権益:BHP Billiton、1988年生産開始、年間4,600tのウランを生産)、Beverley鉱山(位置:Lake Frome、権益;Heathgate Resources社、1999年生産開始、埋蔵量は約21,000t(U3O8)、米国のGeneral Atomics社に約1,000t供給)であるが、これに続くと見られるのがHoneymoon鉱山(位置:Broken Hill北西、権益:Southern Cross社)で、2008年に生産開始を予定している。カナダのUraniumOne社が、400t/年のウランを得るために新しく48百万A$のJVの開始を計画している。
 オーストラリアのウラン探鉱企業の株価も上昇しており、9月にCurnamona Energy社の株価がBroken Hillの55km北西のObanプロジェクトでウランを発見した後、1日で35%上昇した。Toro Energyはウランの探鉱権を会社のリストに入れたところ25c/株の株価が1.60/株まで上昇した。中国のSinosteel社もウラン探鉱のため、Broken Hillの120km西でPepinNini MineralsとJVを組んでいる。

ページトップへ