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ニュース・フラッシュ

2006年11月27日 サンティアゴ 中山 健

チリ・高等裁判所、Los Pelambres鉱山Mauro廃さいダム工事中止命令を出すか否かの決定を延期、同鉱山及び水資源総局に詳細情報を請求

 11月20~24日にわたって地元各紙等は、Los Pelambres鉱山のMauro廃さいダム建設問題に関し、サンティアゴの高等裁判所が工事中止命令を出すか否かの決定を延期したと報道した。
 サンティアゴの高等裁判所は、11月23日、Mauro廃さいダムの工事中止命令を出すか否かの決定を延期し、鉱山関係者、水資源総局に3日以内に更に詳細な情報を提供するよう請求した。両当事者は27日にこれら情報を提出する予定。
 同高等裁判所は、2週間前に、Mauro廃さいダムの建設工事が地元の農業灌漑用水の利用者グループに損害を与えているとして、水資源総局が出していた工事許可を無効とする判決を出した。その後、この判決に関連して、各界から様々な反響、批判が相次いだ。
 全国農業協会のSchmidt会長は「このプロジェクトは地域の農業灌漑用水利用者に害を与えるものであり、当協会は灌漑用水利用者の反対運動を支持する」と語っている。
 鉱山業界は、Schmidt会長の発言に反発し、「この建設工事が灌漑用水の量・質の面で利用者に害を与えることはない。このことは我が国の環境当局、水資源総局も認めている。この判決は工事許可を出した水資源総局ばかりでなく環境委員会の機能・権限を否定するものである。鉱山業界だけでなく、他の産業界の投資にも大きな影響を与えるだろう」と反論している。
 鉱山側は工事が中断しないよう最大限の努力を続けており、11月21日、高等裁判所の判決を無効とするよう最高裁判所に上訴した。また「現在使用しているQuiyayes廃さいダムは既にほぼ満杯状態になっており、2008年以降の増産計画には使えない。工事が出来なくなれば、2008年末にはLos Pelambres鉱山の操業を止めなければならなくなる。高等裁判所の判決は水資源総局の許可を無効としただけで、それ以上のことは何も触れていない。我々は既に最高裁判所に上訴しており、工事を中止すべきか否かを決定するのは高等裁判所ではなく、最高裁判所になるであろう」と述べている。
 Los Pelambres鉱山の労働組合の代表者も、11月23日、サンティアゴ市で記者会見し、「工事が中止されるようなことになれば、工事現場で働く5,000人の労働者が失業することになり、地域的にも大問題だ。また、最終的にダムの建設が禁止されるようなことになると、鉱山の操業も立ち行かなくなり、我々Los Pelambres鉱山で働く3,000人の労働者も職を失うことになり、大変心配している」と語った。
 水資源総局もLos Pelambres鉱山と同じく、11月21日、最高裁判所に上訴した。また、チリ国家環境委員会(CONAMA)は水資源総局が工事許可を与えたことを正当化する声明を発表している。
 このように情勢が益々複雑化するなか、鉱山業界から、「Mauro廃さいダムの建設工事が地域の灌漑用水に実際に損害を与えるか否かを技術的に正しく判断できるのはSERNAGEOMIN(鉱山地質調査所)を置いてほかには有り得ない」と司法関係者にSERNAGEOMINの意見を聴取するよう強く要請している。

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