閉じる

ニュース・フラッシュ

2006年12月12日 バンクーバー 宮武修一

Barrick Gold社、Nova Gold社の買収を断念

 Barrick Gold社が在バンクーバーのNova Gold社に対して仕掛けていた敵対的TOBについて、Barrick社は12月6日とした最終応募期限を延長せず、これ以上のTOBの継続を断念した。Barrick社は本TOBを通じてNova社株式1,360万株、発行株式ベースでおよそ14.8%(全希釈ベースで12.7%)を取得し、Nova社の筆頭株主となった。本TOBは2006年7月に発表されたが、Nova社側の強い反発もあり買収は難航、これまでに6回にわたり応募期限が延長されてきていた。
 Barrick社が翌12月7日に発表したプレスリリースは8頁にわたる異例の想定問答付きの内容で、Barrick社が提示した株式買い受け条件(16$/株)がいかに妥当であるかについて詳細に説明している。またBarrick社CEO、Greg Wilkins氏は、この中で「これまでと同様の理念に基づき、今後とも買収やその他のビジネスの機会を獲得してゆきたい」、とコメントした。
 他方Nova社側は、「本件のホワイトナイトはNova社株主である」と謝意を表し、今後敵対的買収を困難にする新株主権利プランについて2007年5月の株主総会で採択をはかりたいとした。また今後仮にBarrick社が(Nava社株式・権益を)処分するにせよ、Barrick社のTOB以前に11社からの関心を伝えられるなど、パートナーの選択につき障害はないことを強調した。
 今後、両社経営陣の間にはしこりが残ることは避けられず、今後の焦点は、Donlin Creekプロジェクトの過半権益の行方、またGalore Creekプロジェクトの尾鉱ダム用地確保の行方になると思われる。前者については、現在Nova社70%、Barrick社30%の権益比率であるところ、2007年10月までにBarrick社が銀行FSを作成しさえすれば直ちに40%の権益移転がなされBarrick社70%、Nova社30%となるのか、或いは一部許認可の承認なども条件としてこれに含まれるのかどうか、両社の認識に隔たりがある模様である。また後者については、現在の開発計画によれば尾鉱ダム用地はPioneer Metals社鉱区上と想定されているが、既にPioneer社はBarrick社により買収されており、今のところBarrick社側に借地の協議に応じる考えはなく、BC州の調停も別途尾鉱ダムを設計するよう奨めるなど、今後の見通しが難しい状況となっている。

ページトップへ