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ニュース・フラッシュ

2007年2月6日 ジャカルタ 池田 肇

インドネシア政府、陸砂輸出を全面禁止

 地方紙等によればリアウ諸島州政府は、2006年11月、シンガポールへの陸砂輸出を禁止する地方政府令を発布し、商業省はこれに追随する施策として「全国の陸砂、土、表土の輸出禁止」を盛り込む2007年1月22日付け商業相令『2007年第2号』を発布した。これにより、インドネシアの陸砂、土、表土の海外輸出は、2007年2月6日から全面的に禁止される。
 陸砂輸出禁止措置は、インドネシア政府がこれら取引において輸出業者と輸入業者の間の利益の分配に偏りがあり、インドネシアにおける深刻な環境破壊の実態を踏まえ、政府として強硬手段を発動したもの。
 JOGMECジャカルタ事務所が1月30日、エネルギー鉱物資源省鉱物石炭企業局Marpaung局長から本件措置に関し入手した情報によれば、インドネシア国内で採掘される陸砂は、1m3当たり10S$に満たない金額で取引あるいは密輸出され、シンガポールの埋め立てに利用されている。陸砂輸入業者は低廉な代金を輸出業者に支払い、一方で埋め立て地を不動産として売却することにより数百、数千倍の価値を生み出している。しかし、インドネシアは経済的恩恵を受けることなく、森林は治山治水機能を消失し、地域住民は深刻な環境破壊と自然災害の被害に苦しんでいる。インドネシア政府による一次産品の付加価値化の議論は、資源を有する国が正当な利益を得られず荒廃し、資源のない国が利益を享受し繁栄しているという構造を改善しようとするもの。陸砂輸出禁止措置は、インドネシアの国土及び天然鉱物資源を乱開発から防ぐための政府による対抗手段であり、ニッケル鉱石、銅精鉱についても同様の背景がそこにある。

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