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ニュース・フラッシュ

2007年2月9日 リマ 西川信康

ボリビア・モラレス大統領、Vinto製錬所の国有化を宣言

 地元業界紙等によると、ボリビアのモラレス大統領は2月9日、アルバロ・ガルシア副大統領、ギジェルモ・ダレンセ鉱業冶金大臣、ウォルカー・サンミゲル防衛大臣などを伴ってVinto製錬所を訪れ、同製錬所の国有化を宣言するとともに、Vinto錫製錬所の国有化を命じる最高政令29026号「Federico Escóbar Zapata」(66年に死亡した鉱山労働者リーダーの名前に由来)を発令した。
 Vinto製錬所はスイスのGlencoreの傘下企業であるSinchi Huayraが所有していたもので、2005年の錫生産量は、11.3千t。
 政令では、Vinto製錬所の全ての資産をボリビア政府が掌握し、今後Vinto製錬会社(Empresa Metalúrgica Vinto)が管理運営していくことが定められている。
 なお、Vinto製錬所の新代表取締役としてフリオ・フランシスコ・インファンテス技師がギジェルモ・ダレンセ鉱業冶金大臣によって任命された。
 モラレス大統領は、Glencoreに対する賠償は1ペソたりとも行わないとする一方で、今回の国有化措置が同製錬所の施設近代化と生産性向上に対して1,000万$の投資を行うことを確約した。なお、この資金はベネズエラ政府から支援を受けているとされる。これに対し、スイス政府は、スイスとボリビアは投資保護協定を結んでおり、国際調停に訴えることも辞さないと主張しているという。
 モラレス大統領は、ゴンサロ・サンチェス前大統領が所有していた企業は全て再国有化されなければならないと警告しており、Sinchi Huayraの保有する鉱山資産も今後、接収の対象になる考えを示唆している。但し、大統領は、法律を守る企業、利益を公平に国に分配する企業は尊重すると立場を表明しており、San Cristobal鉱山等、他の外国資産は、接収の対象にはならないとの見方が一般的である。
 グレンコア資産を巡っては、グレンコアが2005年に、元ロサダ大統領の所有するComsur社の資産を約1億$で買収した際、その取引が不透明であったこと、また、元Rosada大統領が、グレンコアのボリビア法人Sinchi Wayra社の出資者であったことなどから、かねてから、不正取引疑惑の象徴として取りざたされていた。

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