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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2007年4月17日 サンティアゴ 中山 健

チリ・元CODELCO副総裁、チリ銅鉱業の将来を憂慮

 4月2日付け地元紙等によると、元CODELCO副総裁で現Lumina Copper社長のNelson Pizarro氏は、チリ鉱業界の1人として「国がしかるべき戦略をとらない限り、チリは世界の銅鉱業のリーダーシップを失い、ペルーにも銅生産を追い越されることになる」とチリ銅鉱業の将来について警鐘を鳴らした。
 Pizarro氏によると、世界の銅需要はここ20年に年平均2.5%の伸びを示しているが銅品位は0.1%ずつ減少している。現在の状況がそのまま継続すれば、毎年市場にでる増産分は約55万t、10年後には550万tになる。しかし2015年にかけて生産が予定されているプロジェクトを見ると、約270万tの増産にしかならず、供給不足が生じることになる。その結果、銅価格は長期に亘り1.5~2US$/lbで推移することになる。
 CESCO(Centros de Estudios del Cobre y la Mineria)事務局長のJuan Carlos Guajardo氏は、CRU主催の第6回世界銅会議(2007年3月、サンティアゴ)において「現在世界の銅生産は年産1,700万t以上に達している。そのうち550万tはチリから生産される。一方世界で一番の消費国は中国である。」とコメントした。また中国Minmetalsの副社長Huang Gouping氏は、同会議で、「2020年に中国の銅の消費量は、690万tとなる見込みで、中国は供給不足を解消するため、国内生産量を約290万tに増産することになろう。」と語った。
 Pizarro氏は、「このような国際的需要の高まりの中で、チリは2010年には約700万tに増産することが可能であるが、鉱石品位の低下より生産コストは確実に上昇すると指摘した。多くの企業ではそれらのプロジェクトは現在操業中のもので、例えばCODELCOでは現在の167万tから200万tに僅かに33万tの増産にしかならない。」と語った。
 これまでのチリの成功は、地質ポテンシャル、地形とインフラおよび政治的安定の3つの要因によるものである。しかし最近環境問題が鉱業界に大きな影響を与え始めるなど他の要因も加わってきている、特に近年地質ポテンシャルも低下している。こうした状況を踏まえ、Pizarro氏は長期に亘り50万t/年の銅生産を維持してきて、最近100万t/年に倍増したペルーのような国にチリのリーダーシップを奪われることを避けるため、チリ政府や民間に対して、3つの対策を講じるよう提案した。
 ・地質情報整備・提供を行う地質鉱山局(SERNAGEOMIN)の強化。
 ・国内総生産の2.3%の鉱業への投資
 ・政府の確固たる環境法遵守

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