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ニュース・フラッシュ

2007年5月29日 バンクーバー 大野隆幸

カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)における日本との連携強化のための6提言を公表

 カナダ・BC州のAsia Pacific Trade Council(アジア太平洋貿易評議会)のJapan Market Advisory Group(日本市場アドバイザリーグループ(JMAG)(以下、「JMAG」※1)は、5月22日(火)、今後のBC州と日本との連携強化のための提言をまとめ、報告書を発表するとともに報告会を開催した。この中で、BC州と日本の関係を見直すとともに日本への再評価を総合的に行い、BC州を地域内の経済統合を急速に進めるアジア経済への玄関口(アジアゲートウェイ)として位置づけ、今後、日本経済との関係強化のために連邦政府を含めた政府及び非政府機関が一体となって取り組んでいくことが必要であるとしている。
 今回の報告書においては、マイニングに関する提言及び検討結果の報告はなされてないものの、今後のBC州のアジア政策を把握することは我々マイニング関係者にとっても重要であると認識される。
 報告会の冒頭、BC州のColin Hansen経済開発大臣は、BC州にとって日本は米国に次ぐ輸出市場であるだけでなく、日本を中心として形成されているサプライチェーン(物流)に注目すべきであり、それは日本を通じてアジアで行われている経済活動全般に注目することであると強調した。
 続いて、JMAGのArthur Hara会長は、先に報告された中国とインドの2つの報告書にも触れ、中国に関する報告書では物の流れ、インドに関する報告書では人の流れに着目したが、この日本に関する報告書では、関係の再構築がテーマであったと述懐した。
 同報告書では、6項目の提言を行うとともに、目下の関心事項として5分野(木材製品、教育、観光、農業・食品、バイオテクノロジー)についての検討結果が報告されている。6項目の提言の概要は次のとおりである。
(1) BC州政府は連邦政府と連携して、先進的で効率的な州及び国のイメージ確立に努めるべきである。また、州の代表的な商品やサービスのプロモーションキャンペーンを開始し、日本における州の労働関係の否定的なイメージの解消に取り組むべきである。
(2) 日本とBC州の関係に関連する様々なプログラムを拡大することにより、ビジネスセクターの州内における日本の存在感を強化すべきである。
(3) 日本とBC州間の貿易と投資の促進にかかる政府関与を強化すべきである。州政府は、日本の主要投資家やビジネスグループと、より一層一貫性を持った積極的な対応をすべきである。
(4) 先端技術分野において協調的な国際マーケティングと投資プログラムを形成し、日本からの技術導入を促進するためのミッションプログラム管理を行うべきである。
(5) 非政府機関や政府のすべてのレベルにおいて、日本とBC州の関係を強化すべきである。そのため、日本経験のあるカナダ人、姉妹都市、科学技術の交流なども活用するべきである。
(6) ビザ発給や入国管理にかかる規制、税金関係などについて、連邦政府と協力し、整合性のある政策を実施すべきである。
 日本はBC州にとって特に天然資源産業の重要な市場であり投資パートナーでもある。また観光産業や国際教育産業などサービス業においても主要市場となっている。歴史的にみても、日本はBC州の発展に欠かせない主要パートナーとして、経済的、文化的、社会的、政治的なつながりが強いことで相互的な恩恵を受けてきた。2006年に、BC州が日本に輸出した総額は47億C$で、これは中国(15億C$)、インド(3.45億C$)を遥かに上回る額である。そこで、アジアとの統合的観点と科学的、技術的な革新の定評から、商業的つながりを高めるために戦略的開発を行っている産業界、地域社会、学術関係者らが、日本の経済力に新たに注目している。
※1 Asia Pacific Trade Council(アジア太平洋貿易評議会)JMAG(アーサー・ハラ会長)とは、2005年9月にBC州首相の諮問機関として同評議会の日本市場アドバイザリーグループとして設置された。2006年6月には対中国関係、2007年1月には対インド関係の報告書を順次作成。JMAGは2006年4月からの議論をとりまとめ、本日、報告書を同州のコリン・ハンセン経済開発大臣に提出した。

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