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ニュース・フラッシュ

2007年7月17日 サンティアゴ 中山 健

ブラジル・先住民保護区の鉱業、開放の動き

 6月24日付けブラジル地元紙等によると、ブラジルでは先住民保護区での鉱山業開放が起きようとしている。憲法で先住民保護区内での鉱業活動は禁じられているものの、実際には保護区内で192もの非合法採掘が行われており、その実態は政府も把握出来ていない。このため政府は、先住民保護区内での鉱業活動解放に踏み切るべく現在法案作成を急いでいる。先住民保護区の98.63%が集中しているアマゾン地域は地下資源の宝庫であり、国土の13%を占めるが、そこを鉱物資源の新しいフロンティアとして開発しようとしている。
 アマゾン地域には金のほか、ニオブ、銅、チタン、錫、鉛、亜鉛、鉄鉱石と言った鉱物資源が眠っていると言われている。鉱業セクターは国民総生産の10.5%、貿易収支の25%の富をこの国にもたらしているが、先住民保護区内での鉱業活動が認可されると、幾つかの鉱物資源の国内生産量は一挙に倍増するものと見られている。
 既に政府内では法務省、大統領府制度安全室、先住民保護局(Funai)及び鉱山動力省内鉱物生産局(DNPM)により構成されるワーキンググループが政府原案を作成しており、2007年下半期の議会提出を目指している。政府案では、入札により鉱区開発企業を決め、かかる企業からロイヤルティを徴収し、それを一旦基金にプールした上で、先住民に配分するというものである。
 こうしたアイデアに対し、先住民保護局は、アマゾン地域における地下資源埋蔵量が政府にとって戦略的な意味を持つのは分かるが、それに係わる討議は新しい先住民憲章に則って成されるべきと難色を示している。ブラジル鉱山業会(IBRAM)のPaulo Camillo理事長はこれまでに長年に渡り企業が先住民保護区内での探査および採掘申請を鉱山動力省内鉱物生産局に出してきているにも拘らず(総件数-4,821件)、これまで無視されることに難色を示している。
 社会環境院(Instituto Socio-Ambiental)が作成した-ブラジル先住民保護区の鉱物資資源への関心-と題するレポートに依ると、既にCVRD、AngloGold Ashantiといった企業が関心を寄せている模様である。

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