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ニュース・フラッシュ

2007年7月17日 ジャカルタ 池田 肇

インドネシア・鉱物資源石炭鉱業法案、国家保留鉱区の開発は鉱業特別許可(IKP)を発効

 地元紙等によれば国会常設第7委員会は7月11日、鉱物資源石炭鉱業法案に規定される国家保留鉱区(WUP:National State Reserve)の開発に関し、鉱業投資家に対し新たに鉱業特別許可(IKP:Ijin Khusus Pertambangan)を発効することで政府と合意したことを明らかにした。これにより、鉱業法案には、(1) エネルギー鉱物資源相が放射性鉱物の鉱業事業を委託する委託鉱業事業(PUP:Penugasan Usaha Pertambangan)、(2) 国有企業(BUMN)、地方公営企業(BUMD)、民間企業(Badan Usaha Swasta)、協同組合(Korerasi)及び個人向けの鉱業事業許可(IUP:Izin Usaha Pertambangan)、(3) 周辺住民向けの住民鉱業事業許可(IPR:Izin Pertambangan Rakyat)、(4) 大規模鉱業案件(投資額:2億5,000万US$以上)向けの鉱業事業協約(PUP:Perjanjian Usaha Pertambangan=Mining Business Agreement)、(5) 鉱業特別許可(IKP)の5つの鉱業許認可が盛り込まれる。
 第7委員会作業部会(PANJA)Sonny Keraf部会長(闘争民主党)は、鉱業特別許可(IKP)は国家保留鉱区(WUP)の開発を対象とし、国家保留鉱区の選定については国会の提案と検討に基づき大統領が決定することになると述べている。そのため、国家保留鉱区内の開発を希望する鉱業投資家は、エネルギー鉱物資源相に対し鉱業特別許可(IKP)を申請し、許可取得後、探鉱及び環境影響評価を含むFS調査を実施することになる。同制度の下では、探鉱調査の結果、経済性があると判断し開発(Exploitation)ステージに移行する場合には、国会の事前承認を必要とする。
 一方、第7委員会Airlangga Hartarto議員によれば、議会内審議には、国家保留鉱区の鉱山開発については、政府が国有企業(BUMN)を指名し実施させる意見と、新たに鉱業特別許可(IKP)のメカニズムに即し制度を創設すべきであるとする2通りの意見があると紹介している。
 なお、これまでの国家保留鉱区に関する政府見解は、将来に備え次世代のために資源を保護し、国内需要を優先する概念を鉱業法案に盛り込むことをその狙いとしていたが、鉱業特別許可(IKP)の導入によって、国家保留鉱区の決定プロセスや具体的な地域選定問題が新たにクローズアップされる懸念がある。
 また、採鉱-鉱業特別許可(Exploitation-IKP)の取得に国会の事前承認を義務化したことは、かつての鉱業事業協約(COW)にも類似する制度と言え、先の議会及び政府による鉱業法案改正趣旨に反する動きとも見て取れる。いずれにしても鉱業特別許可(IKP)の導入は、インドネシアの鉱業投資環境をまた一つ悪化させたことになる。

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