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ニュース・フラッシュ

2007年9月6日 シドニー 久保田博志

豪州・APECにおける、中国、ロシアの資源外交

 9月2~9日までシドニーで開催されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)を舞台に中国とロシアが資源確保に積極的な動きを見せた。
 9月3日、中国の温家宝主席を主賓に招いた西オーストラリア州Alan Carpenter首相主催の晩餐会で、中国側は西オーストラリア州首脳らに対して、「中国は、西オーストラリア州の鉱物資源とインフラストラクチャー開発の強力なパートナーとなることを望んでいるが、それらの開発の遅れは重大な関心事である。」と発言している。
 このような発言は、9月4日、温主席が訪問した幾つかの資源開発現場や中国政府高官が立会った契約締結式の場でも同州政府に対して投げかけられている。
 Yilgarn地域でのGeraldton鉄鉱山に関連した鉄道・港湾施設建設インフラストラクチャー建設に関する契約締結式において、中国政府高官は西オーストラリア州との交渉の遅れに苛立ちを示していた。このプロジェクトでは、2007年度の中国への最大75百万tの鉄鉱石供給提案は、州政府と開発者との間の意見の食い違いから停止状態にある。
 温主席は、9月4日、KwinanaにあるRio TintoのHIsmelt製鉄プラント(Pig Iron Plant)を訪問、Rio TintoのSam Walsh氏から「HIsmeltの技術は従来の製鉄技術に比べて地球温暖化ガスの排出を90%削減できる」などの説明を受けている。Rio Tintoは既に、2件のHIsmelt技術のライセンス契約を中国製鉄企業と締結しており、更にHIsmelt技術のKwinanaプラントの権益5%を保有するShougang社を含め複数社と交渉中である。
 ロシアのMagnitogolsk Iron and Steel社(以下Magnitogolsk社)は、西オーストラリア州で新たな鉄鉱山を開発中のFortescue Minerals社の権益を5.37%から15%に引上げる(15億A$相当)ために外資規制委員会(Foreign Investment Review Board:FIRB)の許可申請を行っている。Magnitogolsk社のこの動きは、Fortescue社の先行き不透明な開発進捗状況を牽制するものと見られている。
 ロシアは中国と同様に鉄鉱石、ウランなどの鉱物資源の信頼の置ける長期的供給源の確保が自国の経済発展に不可欠との認識を強く持っており、9月7日には、Vladimir Putinロシア大統領とJohn Howardオーストラリア首相が、オーストラリアからロシアに向けたウラン供給に関する合意書に署名した。

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