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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2008年3月11日 リマ 西川信康

ペルー:鉱山開発プロジェクト、地元住民対策信託基金の民間委託法案に対する反対意見

 業界紙等によると、地元住民対策の一環として積み立てされている鉱山開発プロジェクト信託基金の管理・運営を政府から民間へ移行するための法案がまもなく国会で審議されるが、本法案に対する各方面からの批判が高まっている。
 Las Bambasプロジェクトを保有しているXstrata Copperは、政府による安易な民間への責任転換として本法案への反対表明を行っている。また、専門家などからも、本来、鉱業プロジェクト社会信託基金は、鉱山企業と探鉱地域周辺の住民らの対立を緩和するため企業から政府に支払われた金額の一部によって信託基金を設立し、投資促進庁(Proinversion)の管理運営のもと、地域社会の発展に即座に結びつく公共事業を行うことが目的であるにもかかわらず、投資促進庁は、中央集権的かつ官僚主義的な体質に加えて地方の実態や要求に関する知識も低く、公正性・透明性に欠き、さらには汚職疑惑も指摘されているなど、同庁の管理運営能力の欠如が大きな問題となっている。信託基金の制度改革は、透明かつ市民参加型の監査制度を確立し、地方政府・自治体の能力を強化する方向で行われるべきであり、安易な民間委託は誰の利益にもならないとの声が多い。
 またNGO団体は、信託基金こそが地域社会の不満の最大原因の一つになっているとし、同基金による事業の行き詰まりはXstrataがペルー南部で今後展開していくAntapaccay、Coroccohuayco、Las Bambasだけでなく、Alto Chicama、Toromocho、Bayovar、La Granjaなど信託基金を導入しているプロジェクトを実施する企業全てに同様の影響が及ぶと指摘する。
 なお、2007年末までに実行されたLas Bambasにおける信託基金によるプロジェクト実施件数は全76件中僅か13件のみ。また、Alto Chicamaでは全74件のうち6件、Toromochoでは36件中0件、Bayovarでは14件中3件、La Granjaでは32件中16件といずれも事業の立ち遅れが目立っている。

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