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ニュース・フラッシュ

2008年4月22日 ジャカルタ 池田 肇

インドネシア:2008鉱業アップデート大会

 インドネシア鉱業雑誌社「Majalah Tambang」が主催する2008インドネシア鉱業アップデート(Indonesia Mining Update)が4月14日、15日の両日、ジャカルタ市内で開催され、インドネシアにおける鉱業投資環境について最新情報を交換・共有する場として内外の鉱業関係者総勢500人が参加した。初日、主催者を代表し同社のHerman Afif Kusumo会長がTambang Magazine創刊3周年を記念し開会を宣言。Purnomo Yusgiantoroエネルギー鉱物資源相は、2007年のジャカルタ証券市場における鉱業資産は、1年間で2.5倍に成長し、鉱業による国家歳入への貢献は40億US$に達すると紹介。また、インドネシア政府は、鉱業を重要な産業分野と位置付け、鉱業投資環境を整備するため、鉱物・石炭鉱業法案の改定に取組み、鉱業法案では、国家及び地域住民の経済的、社会的利益を最適化し、鉱物生産量を最大化させるため、鉱石の現地加工を義務化することに加え、地域開発、環境対策、企業の社会的責任(CSR)を徹底、資源保護と内需優先を盛込む方針と述べた。更に、2007年12月Bali島で開催された地球温暖化サミット(COP13)で、政府及びインドネシア鉱業協会等は、緑化鉱業(Green Minig:地球環境にやさしい鉱業)を宣言しており、鉱業投資で最も障害になっている保護林問題について森林省の理解を求めて行くとした。M. Ruthfi投資調整庁長官は、インドネシアは、これまで原料を輸出し加工製品を輸入してきたが、これからは付加価値化政策を推進し国家収入の最大化、雇用機会の創出に取り組む。政府は、非鉄金属加工(Non-Ferrous Metal Processing)分野への外国投資は、6年間の所得税減税、建設費の早期償還、5~10年間の税制優遇措置を決定しており、鉄鉱石、アルミニウム、ニッケル、銅の加工分野への鉱業投資を歓迎、産業の国内育成を図る方針との基調講演を行った。セッションⅠでは、Airlangga Hartarto議会第7委員会委員長が鉱物石炭鉱業法案の議会内審議状況を概括。Faisal Basariインドネシア大学経済学部教授は、鉱業投資が停滞している現状を産業分野別成長率、GDP成長率を基に分析。またH.M. Amien Rais教授(元国民議会議長:元信託党(PAN)党首)は超保守派的持論を展開し、鉱物石炭鉱業法案は外国鉱山企業のためではなく、国家、国民の利益を最大化させるため、すべての鉱業事業契約(COW/CCOW)は、法案成立と同時に見直すべきであるとした。同氏は、Grasberg銅鉱山を操業するPT Freeport Indonesiaは、インドネシアの環境を再生困難までに破壊したとして、即刻インドネシアから撤退せよと述べた。セッションⅡでは、新鉱業法成立後の既存鉱業事業契約(COW/CCOW)の取扱いについて、鉱業法の専門家であるAbrar Saleng Hasanuddin大学教授(保守派)、Abdul Latief Bakyインドネシア商工会議所鉱物資源部会副委員長(中立)、外国鉱業投資家の意見を代表してLuke Devine弁護士(Hadiputranto Hadinoto法律事務所所属)が講演を行った。Luke弁護士は、既存鉱業法案の一方的見直しは、鉱業分野の外国投資のみならず、全産業分野の外国投資にネガティブな影響を与え、全企業がインドネシア政府を国際調停裁判所に訴える事態も想定されるとして、既存鉱業事業契約(COW/CCOW)の強硬な見直しは、国家としての威信、信頼を大きく損なう懸念があると、議会関係者に対し慎重な対応を求めた。セッションⅢでは、「鉱業法と地方分権」と題し、Emil Salim元環境大臣、Jeffrey Mulyonoインドネシア石炭鉱業協会長、Erwiza Erman地方分権鉱業専門家などによる講演が行われた。初日の講演は、Airlangga Hartarto議会第7委員会委員長が、既存鉱業事業契約(COW/CCOW)の見直しに関し、各会派に多様な意見の対立があることを紹介していたが、大会は、鉱業投資家に対し、資源ナショナリズムの高揚と外国鉱山企業に対し利益の再配分を要求する意見が根強くあることを印象付けるものとなった。

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