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ニュース・フラッシュ

2008年6月2日 バンクーバー 大野隆幸

カナダ:炭素税は産業の大きな負担となると各産業界代表が結束して政府に提言

 カナダ・BC州の炭素税導入実施(2008年7月1日施行予定)を控え、同州主要産業の代表が、政府の言う中立税収を求めるならば、企業により多く還元されるべきであると政府に要求していくことで団結を確認した。これは、現在の炭素税の構成は70%が企業によって納付されるが、法人税減税分として還元されるのはたった30%で、残りは個人所得税減税分として還元されるもので、著しくバランスを欠いた割合となっていることや業界全体の負担が、炭素量または排出物の炭素換算ベースで、30C$/tとした場合、関連業界に係るコストは年間5億C$に上ると算出されたことによる(2008年7月からの施行初年度は、10C$/t(ガソリン1L当り2.41¢)で、その後2012年までに30C$/t(ガソリン1L当り8.27¢)まで段階的に引上げられる)。
 そこで、鉱業、セメント業、林業、製錬業の各産業界代表は、5月30日(金)、ビクトリア州政府に出向き、制度の変更をもとめて気候変動事務局との協議に臨んだ。各産業界の代表は、もし、このままの制度内容で炭素税を導入した場合、鉱山やセメント生産企業が倒産する事態に追込まれること、既に厳しい状態を強いられている林業が更なる打撃を受けることなどを事務局に直訴した。
 産業界の反応として、BC州鉱業協会副会長(環境健康安全担当)のG. Dirom氏は、「これでは誰に対しても中立な税収とはならない。この70:30の割合を50:50か60:40にすることで道理に叶ったものとなる。」と述べている。
 他方、BC州財務大臣のC.Taylor氏は、インタビューで「産業界の嘆願についてはどこまで効果があるのかは疑問とし、産業界代表と気候変動事務局との会議が炭素税変更の「交渉」或いは「協議」であるとされていることに苛立っている。新法においては全ての炭素税収入は他の税の減税という形で還元され、それ以外の歳出は一切出来ないとされている」と答え、更に「政府は2008年、10億C$を環境施策に投資することを誓約しており、産業界に対し有益な対策への扉を全て閉ざしたわけではなく、これはまだ発展途中の制度であり、前進とともに、柔軟な対応ができる。一部の産業界では財務省とアイデアを出し合い、新しい解決策を模索している。これがBC州の前進する方向である。」とも述べている。

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