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ニュース・フラッシュ

2008年7月8日 シドニー 増田一夫

豪:温室効果ガスの排出権取引に関する報告と鉱業界の反応

 Rudd政権の委託により、気候変動が豪州経済に与える影響について調査を行っていた豪州国立大学のGarnaut教授は、2008年7月4日に報告書のドラフトを発表した。
 537ページに及ぶ報告書では、2010年からの温室効果ガスの排出権取引(ETS:Emissions Trading Scheme)開始を提言し、温室効果ガス排出量削減等の温暖化対策がとられなかった場合、2050年に予測される豪州の国内総生産(GDP)の2%の減少、2100年には4,250億A$に相当する4.8%の減少となると警告した。なお、2007年のGDPは9,976億A$。
 また、温室効果ガス排出権収入の50%(20A$/tで試算した場合、40億A$超)は税優遇策や福祉、エネルギー効率化支援として国民に還元し、20%はクリーンエネルギー技術開発に、30%は他国に先がけて豪州で排出権取引を導入したことにより競争力が低下し、不利益を被る企業の保護に使用すべきであると提言している。
 以上の発表を受けてXstrata会長は地元紙に対し、次のように語った。資源業界は温室効果ガス排出権取引を支持するが、他国、特にEUや主要ガス排出国の間では未だ賛否両論が有り慎重に議論を進めているのに対し、豪州が早急に議論を進め、他国に先駆けて排出権取引を導入するといったことは誰も賛同しないリーダーシップを発揮することであると警告した。
 また、MCA(豪州鉱業協会)は、温室効果ガス排出権取引については支持を表明したが、EUが2020年までは排出権取引を完全には行わないことを例に挙げて、2010年からの排出権取引開始については遺憾を表明した。
 最終報告書は、2008年9月30日に政府に提出される。

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