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ニュース・フラッシュ

2008年8月25日 シドニー 原田富雄

豪:政府が導入する排出権取引制度が炭素集約型産業に与える影響

 連邦政府が導入しようとしている排出権取引制度では、炭素排出企業に与えられる排出枠が毎年削減されることから、一部の企業にとっては操業を海外に移転する原動力になるかもしれないと地元紙は伝えている。
 同制度では、企業が無償で受け取る排出枠(権利)が徐々に減らされることになっている。政府が示した素案では、排出量の多い企業に無償で割り当てられる排出枠は、当初の90%から10年以内に60%へと引き下げられるため、残りの40%の排出権を市場価格で調達しなければならなくなり、企業には炭素排出量の削減努力が求められる。
 産業界は、例としてアルミニウム製錬を引き合いに出し、排出権取引制度を持たない海外との競争に加え、10年後には炭素排出枠のいくらかを市場から調達するコストが重くのしかかるため、まず豪州政府は他国が排出権制度に関してどのような制度を作り上げるのかを見届けた上で、市場競争力が弱まらない程度の制度にすべきと述べている。
 連邦政府素案では、制度発足時に90%の排出枠が認められる産業として、アルミニウム製錬、石灰製造、シリコン製錬、鉄鋼、60%が認められる産業として、アルミナ精錬、養豚、非鉄金属製錬が挙げられている。

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