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ニュース・フラッシュ

2008年12月9日 シドニー 原田富雄

豪:排出権取引制度の概要が間もなく発表

 2008年12月4日、投資家であるnabCapital社、ANZ銀行、Macquarieグループのチーフエコノミストは連名で、豪州政府が導入するETS(排出権取引制度)においては、いかなる産業分野であろうと排出量の免除措置は導入しないことを求める書簡を政府に提出した。書簡によれば、豪政府は石油産業については制度開始から当初3年間の排出量免除に言及しているが、ETSをできるだけ広い分野で適用するように促すとともに、炭素取引の新市場が機能するために取引価格を高く設定するよう求めている。
 連邦政府は、2008年7月に発表されたETSの素案(Green Paper)での提案内容よりも産業界の懸念を反映させた慎重な制度に落着かせようとしている。例えば、国際社会においてETSが確立する以前の段階から、2015年には重工業に対して20%、農業には30%の無償排出枠とする提案を示し、残りの枠は競売に掛けるとしていた。
 しかしながら、こうした提言をそのまま導入すれば、既に悪化している失業率の更なる悪化を招くとして、地球温暖化ガスの排出削減目標の幅を2020年までに5~15%の間で設定する方向で現在検討されている。また、制度導入により影響を受ける産業が海外に生産拠点を移すといった懸念に対処するため、炭素集約型産業への幅広い補償についても著しい変更を行うとしている。更に、農業分野が同制度に取込まれるならば、無償枠35%までの拡大案まで出されている。
 政府は2008年末までにETS関連法案の基になるWhite Paperを発表する予定であり、その内容が注目されるところ、地球温暖化ガス排出削減について2009年にコペンハーゲンで検討し、合意を得る野心的な目標を念頭に置いたものになるとも考えられる。

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