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ニュース・フラッシュ

2009年1月12日 バンクーバー 大野隆幸

加:Teckは環境関連訴訟でカナダ・米国の裁判権闘争の狭間に立つ

 2008年11月下旬、カナダ最高裁はTeck(原告)とLombard General Insurance Company of Canada社(被告:以下“Lombard社”)の訴訟において口頭弁論を審問した。この訴訟は、米国とカナダのどちらの国の裁判所が本件への統制力を持つべきかとの越境闘争となっている環境法争議である。そもそも、カナダBC州で操業していたTeckのTrail鉛・亜鉛製錬所からの製錬廃棄物であるスラグが二国間にまたがるColombia川を介して米国WA州Roosevelt湖において環境問題を発生したとして、米国内で提訴されたことに対し、米国連邦最高裁判所は米国内の法律の適用を受ける旨の判決に対し、保険の支払いを求めLombard社に申請したところ、カナダ国内ではないため支払いには応じられないとの返答を受けた。TeckはLombard社を米国内で提訴、それに対し、Lombard社はカナダ国内における保険契約であると主張し、BC州において提訴無効の訴えを起したことによる。本訴訟ではカナダ最高裁は、カナダの裁判所が二重訴訟における裁判権を受諾した米国の裁判所に従うべきとした自動裁定の有無が主要問題となる。また、BC州高等裁判所は、相反する結果が出され得る二重訴訟を避けることが好ましいとする一方で、その一要因だけでは決められないともしている。これに対し、カナダ最高裁は本件の判決を留保しており、2009年1月12日現在もその状況に変化はない。両国鉱業界としては、今後、同様のプロジェクトに影響を及ぼすことは必至として、この裁判の行方を注視している。

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