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ニュース・フラッシュ

2009年2月17日 シドニー 原田富雄

豪・中:ChinalcoがRio Tintoに追加出資

 2009年2月12日、Rio TintoのPaul Skinner会長は、Chinalco(中国アルミ業公司)との間で先駆的な戦略提携を結ぶことに合意したと発表、今後Chinalcoは、総額195億US$をRio Tintoに投資する。内訳は、アルミ関連に21億US$、銅山に45億US$、鉄鉱石に52億US$、そして合弁プロジェクト開発に5億US$の計123億US$、転換社債(平均9.2%の利札付き)の購入に72億US$が充てられる。
 現在、Chinalcoは、Rio Tinto株式9.3%を保有しているが、購入する転換社債を株式に転換すれば、Rio Tint Ltd.(豪州証券取引所上場)の14.9%、Rio Tinto Plc(ロンドン証券取引所上場)の19.0%、Rio Tinto全体の18.0%の株式を保有することになる。
 また、鉱業資産の権益比率は次表のとおりとなる。

  資産 Rio Tintoの権益比率
(%)
Rio Tintoの権益のうち
Chinalcoが占める割合
(%)
Rio Tintoが買収した
Alcanの資産
Weipa鉱山 100 30
Yarwunアルミナ精錬所 100 50
Boyneアルミ製錬所 59.4 49
GPS石炭火力発電所 42.1 49
Escondida鉱山 30 49.75
Kennecott鉱山 100 25
Grasberg鉱山 40 30
La Granja探鉱・開発プロジェクト 100 30
鉄鉱石 Hamersley鉱山 100 15


 さらに、プロジェクト開発資金として投入される5億US$は、50対50の合弁事業として、中国国内及びギニアのSimandou鉄鉱石プロジェクト用として使用されるとともに、今回の投資によりChinalcoはRio Tintoに2名の役員を送り込むことができる。
 2008年8月のChinalcoによるRio Tinto株式取得に関しては、豪外国投資審査委員会(FIRB: Foreign Investment Review Board)の審査に基づく政府の承認なしにRio Tinto全体での株式の11%以上の取得を認めないこと、全体での株式の15%に満たない場合は役員の指名ができないことといった条件を課していた豪州政府であるが、Swan財務大臣は、今回のRio Tintoの発表内容が豪州証券取引所(ASX: Australian Securities Exchange)に正式に通知される15分前に、Chinalcoは現行の外国投資関連法規に規制のない転換社債という言わば抜け穴を利用しているとして、法律の改正を直ちに行い、2009年2月12日から適用するとの声明を発表した。
 巨額の負債を抱えるRio Tintoの資産売却に関しては、これまでVale、Xstrata、BHP Billitonなど大手企業から申し出があったが、いずれも交渉には至っておらず、Rio Tintoの優良資産売却に懸念を示すBHP Billitonは、Chinalcoによる本件投資を連邦政府に拒否させるための意見書を準備させるなど、ロビー活動を行っている。一方で、ChinalcoもFIRBによる承認が短期間で下りるようにと、ロビー活動を行っている。
 一方、Chinalcoによる投資は、鉱物資源開発という観点からは好ましいもので、特に金融危機以降、閉山による失業問題に対して2千人もの雇用の機会を与えることができることから、Swan財務大臣への承認圧力につながるとの考えがあるが、中国国有企業のChinalcoからの投資は、投資は外国政府から独立したものでなければならないとする現行法令上問題があり、豪州政府がどのような判断を下すのか注目される。

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