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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2009年3月23日 バンクーバー 大野隆幸

米・加:FRB長期国債買入れ発表、インフレ懸念で金は「買い」

 2009年3月18日、米連邦準備理事会(The U.S. Federal Reserve Bank、以下FRB)は長期国債買入れによる量的緩和策の拡大計画を発表した。新たな資金が市場に供給されるとの期待から、株式や債券等の市場が反発すると予想している。他方、為替相場で米ドルはこのニュースを受け、売込まれた。これまでFRBは様々な融資計画(事実上の通貨供給量拡大)を通して、景気回復・物価安定のための措置を講じてきたが、今回更に半年間で最大3,000億US$相当の国債買入れを含む、より積極的な量的緩和計画を発表した。
 これに先立ちThe Bank of Englandも750億£(ポンド)の国債引受けを表明、欧州中央銀行も主要政策金利を過去最低水準の1.5%とすることを決定したところ。また、カナダも、今後数か月で量的緩和と信用緩和の両方を実施する可能性を示唆している。これら世界各国の中央銀行がインフレ誘発を目的とした大規模な金融緩和措置を実施している。ここで懸念されるのは、世界経済の景気回復への負債デフレによるデフレ・スパイラルに陥る危険性である。このような異例の金融緩和措置は、今後数年間にわたりインフレの可能性を高める一方で通貨価値を下げる懸念もあり、金融システムを脅かす複数の問題を考えると、目先的にデフレは脅威である。例えば、カナダの債券市場では、長期国債利回りが1.4%と年間インフレ率を反映し短期的には道理にかなっているとしても、長期的には低く過ぎると見られている。そこで、2010年にかけてのインフレや広がる通貨安に対するポートフォリオのヘッジとして、現物資産への安心感から金を買増していくことが投資家にとって賢明な選択と考えられている。デフレ懸念により金価格は目先、2008年11月の安値である700US$/oz付近まで調整される可能性はあるものの、長期的には大幅に値上りするものと考えられる。投資家は今後、現物価格下落局面での金買増しを活発化させてくると市場関係者は見ている。

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