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ニュース・フラッシュ

2009年5月11日 シドニー 原田富雄

豪:排出権取引制度導入を延期

 2009年5月4日、豪州連邦政府は2010年7月に導入を予定していた排出権取引制度(Emission Trading Scheme、以下ETS)の導入を1年先送りすることを盛り込んだ新たな炭素汚染削減制度(Carbon Pollution Reduction Scheme、以下CPRS)を発表した。
 今回新たにCPRSに導入された内容は次のとおり:
・排出権取引制度の開始は2011年7月1日。
・排出権取引の完全実施(炭素の市場売買)となる2012年7年1日までの1年間は、炭素1t当たり10A$の固定価格。
・“世界景気後退緩和措置(Global Recession Buffer)”として、炭素集約型貿易産業(Emission Intensive Trade Exposed Industries)のうち炭素排出量の90%を政府から無償供与される産業に対し新たに5%の無償排出枠を、60%の無償排出枠を持つ産業には10%の無償排出枠を追加。これにより年率 1.3%の炭素排出削減につなげる。
・適格となる事業には、エネルギーの効率化を進めるために2009/10年度において気候変動行動基金(Climate Change Action Fund)から200百万A$の金融支援を受けることができる。
・2050年までに大気中の二酸化炭素濃度を450ppm以下に抑えるという国際合意を前提に、2020年までに2000年レベルの排出量の25%を削減目標に設定。

 今回導入された内容は、ETSの早期導入に反対していた豪州商工会議所、豪州産業団体、豪州ビジネス評議会との協議を重ねたものであり、産業界は概ね連邦政府の取組みを歓迎する一方で、野党自由党は、ETSに伴う雇用や経済成長に対する影響予測が不十分であるとしている。また、豪州鉱業協会も、排出権購入のために多額の出費を企業に強いるとして当該スキームに対し反対を表明している。

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