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ニュース・フラッシュ

2009年5月11日 ジャカルタ 小岩孝二

ベトナム:中部高原地域ボーキサイト開発プロジェクト環境保護、地域社会対策調査団派遣

 地元紙等によると、ベトナム石炭鉱物産業グループ(Vietnam National Coal-Minerals Industries Group:VINACOMIN)が進めている中部高原地域の2件のボーキサイト開発・アルミナ製錬所建設事業(Lam Dong省Tan Raiプロジェクト及び、Dak Nong省Nhan Coプロジェクト)について、Nguyen Tan Dung首相は、関係省庁に対し、その推進に協力要請すると共に、環境保護、地域社会対策等について現地調査団を派遣するよう指示した。報告書は5月20日から開催される国会に提出される予定。両事業は、VINACOMINから設計・技術・調達・建設一括契約によりChina Aluminum International Engineering(CHALIECO)社が請負っており、Tan RaiプロジェクトについてはCHALIECO社の親会社であるAluminum Corporation of China(CHINALCO)と近々合弁するのではないかとされていた。しかし、対仏独立戦争、ベトナム戦争の指揮を執ってきたVo Ngyuen Giap将軍が、ボーキサイト開発が環境へ与える影響及び、対中国安全保障の観点から反対意見を表明、その後ハノイにおいて科学者等によるセミナーでも議論されるなど、政府推進事業に対する異議が公に出る異例の展開となっていた。また、Tan Raiプロジェクト建設現場で中国人単純労働者が数百人労働していると報道され、更にNhan Coプロジェクトでも今後多数の中国人労働者が従事するのではないかとされるなど、単純労働者の受入れを認めていないベトナムにとって看過できない状態となっていた。このため、ベトナム共産党政治局は、4月24日、事業推進を認めるものの、VINACOMINに対し、環境、地域社会を尊重した開発を行い、当面、プロジェクト推進会社の株式を外国企業に売却しないように指示している。

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