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ニュース・フラッシュ

2009年6月17日 ロンドン フレンチ香織

英:EUの原材料戦略に関する動き(欧州委員会とMMTAの対話)

 従前報告のとおり、欧州委員会は2008年11月に、欧州域内での原材料問題対応の方向性を示す政策文書“原材料イニシアチブ”を発表し、その後、その提言の実現に向けて活動を始めている。その一環として、レアメタルを巡る問題に関して4月、欧州委員会担当者がMMTA(Minor Metals Trade Assosiation)との間で6月上旬に会合予定と旨報じられ、その直後、欧州委員会としては、2009年内に戦略的に重要な原材料リストを完成させる予定である(6月10付けニュースフラッシュ(No.09-22)参照)。
 MMTAは、本部をロンドンに置く世界的なマイナーメタル(レアメタル、貴金属など)を扱う企業の業界団体であり、欧州のみならず北米、アジア(含む日本)など30か国、約120の会員企業を擁している。また、業種としてはトレーダーに限らず、鉱山会社、中間材料の生産会社、販売会社を網羅している。欧州においては、欧州委員会と業界との接点(ロビー)としても活動している。

 こうした動きを受けて、当事務所が6月17日、MMTA会長より、欧州委員会の原材料イニシアティブに関してのMMTAの関与、今後の欧州委員会との関係等につき聴取したところ、ポイントは以下のとおりである。

1)欧州委員会の『原材料イニシアティブ』への関与について
 MMTAは欧州委員会の今後の政策検討に関して、レアメタル業界を代表してコンサルテーション依頼された。欧州委員会は、戦略的に重要な原材料のリスト作成のために、MMTA以外にも多岐の分野に亘る業界の意見を聴取しているところ。

2)イニシアティブを受けての具体的な政策構想・要望について
 本イニシアティブの柱は、
[1]歪みの無い国際市場を通じての原材料の安定確保の実現(外交的手法含む)、
[2]EU圏内からの資源供給の強化、
[3]EU圏内の一次原料消費低減のための資源利用効率化及びリサイクル促進、の3点である。
 現時点ではまだ、作業はスタートしたばかりで、欧州委員会もMMTAも個別具体的な政策案や政策要望は固まっていないが、EUとしての外交的取組みには期待している。

3)欧州におけるレアメタル備蓄の可能性
 レアメタル備蓄の可能性が一部報じられているが、現時点での欧州委員会の政策モデルには含まれていないようである。

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