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ニュース・フラッシュ

2009年8月17日 ロンドン フレンチ香織

南ア:6月上旬からの南ア鉱山労組の賃上要求は未だ解決せず

 南ア最大の鉱山労組であるNUMの賃上要求は、未だ解決に至っていない。2009年6月上旬、産金企業経営者が7%の賃上げを決定したことに対して、NUMが、「鉱山労働者の賃金を15%増にしないと大規模なストを起こす」と発言し、同国直近のインフレ率は8%を下回り、金相場の堅調から、企業のバランスシートは潤っていると予想し、従来の要求20%から5%引下げた15%を更に引下げるような姿勢をNUMは見せていない。
  6月17日には、スト回避に向けた労使調停機関CCMAによる仲裁を受けていた。その時点では、CCMAの仲裁により賃上交渉は直ちに解決すると予想され、7月21日には、経営者側は、ストを懸念して、鉱山労働者の賃上率を前回回答の8~10%から9~10.5%に引上げた。加えて、南アの大手PGM生産会社Implats も7月上旬、NUMに対して賃上率を8.5%に引上げると回答していた。しかし、産炭企業も含めた経営側の提案に対して、NUMは7月22日、「労組員と相談した上で返答するが、ストの可能性は除外できない」と懸念を残す発言をし、また、NUMは7月14日、Implats社の提示に対しても、拒否の態度を示した。
 さらに、NUMは8月7日、「Eskom電力公社が賃上要求14%を満さなければ、NUMはストに16千人を動員する」と発表した。同公社は、8月12日、大規模なスト突入回避のため、10.5%の賃上率を回答したことにより、同ストは回避される見込みが強まったが、NUM組合員の反応は現在も定まっていない。NUMの交渉責任者は、「組合員は10.5%の賃上案を簡単には無視しないだろうが、住宅手当の問題が極めて難しい」と述べており、未だ解決までの道は険しい。
 なお、ストを辞さない今回の賃上要求は、供給不安を呼び起こし、PGM市場に影響を及ぼしている。
 8月7日のEskom電力公社に対するNUM側のストの発言は、供給不安懸念からの投機筋の買いを引入れ、一時的にプラチナ価格は1,300US$/ozを超える水準まで上昇した。一方、同公社が賃金回答10.5%を発表した6月12日には、プラチナのスポット価格は一時1,230US$まで下落した。このように金属価格に影響を与えつつある今回の賃上交渉は今後しばらく注目される。

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