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ニュース・フラッシュ

2009年8月31日 ロンドン フレンチ香織

南ア:鉱業国有化は否定、新国営鉱山企業の設立案は沈滞

 2009年7月上旬、南ア与党のANC (アフリカ民族会議)青年同盟及びCOSATU (南ア労働組合会議)は、1955年のANC設立時に制定された自由憲章上に鉱業国有化が盛り込まれていることを理由に、鉱業国有化を要求していた。現状、南アでは不況による鉱山閉鎖や雇用削減が同国にとって大きな課題となっている。したがって、鉱業国有化により雇用の場を守り、外資が吸い上げている利益を還元したいこと等を求めて、鉱業国有化を声高に求めた。しかし、本計画は外国人投資家等に同国での鉱業活動に対する懸念を与えるとして、Shabangu大臣は7月8日、鉱業国有化の要求には決して応じないと表明した。
 同時期、鉱山における失業問題に対する他の対策として、政府は新たな国営企業の設立を計画していると報じられていた。NUM (南ア全国鉱山労働者組合)及び COSATUは、国家歳入の増加及び雇用の確保を目指して国営鉱山企業を設立するためにも、国による鉱山買収を要求していた。
 これに応じてか、南ア閣僚は2009年8月13日、国営企業が保有する数鉱山の売却計画を、一時保留すると発表した。しかし、政府広報担当官は同日、「本保留は、鉱業大臣に対して、それら鉱山の保持、売却、または統合を見分ける検討期間を与えるためであり、新国営鉱山企業の設立と直接繋がると解釈するのは早計である」と主張した。民間企業は本案に対して批判的であることからも、新たな鉱山企業の設立は議論の余地を残している。
 なお、2007年10月、南ア鉱山省の下部機関であるCEF( Central Energy Fund)が、AEMFC(African Exploration Mining Finance Corp)を100%子会社化したことによって、南アの国営鉱山企業が設立されている。CEFの2008年報によれば、AEMFCは、鉱山省より、エネルギー資源に限らずその他の鉱物資源供給の確保を命じられており、2008年4月には、CEFとその子会社から、同国Mpumalanga地域の3か所における石炭(及びTorbernite(リン銅ウラン石))試掘権を継承した。しかし、AEMFCは2008年10月、探鉱・鉱山活動に係る鉱業法(ACT No,28 OF 2002)の一部適用免除を含む法令を制定されたため、設立当時は、民間企業及び南ア鉱業協会から不公平との批判の声が高まっていた。また、報道によれば、同国のその他の国営企業(Eskom、SAA、SABCなど)は、営業実績があまり良くないとされ、今後の同国における国営化の展開が注目されている。

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