閉じる

ニュース・フラッシュ

2009年9月4日 北京 土居正典

中国:“希土工業発展計画(2009-2015年)改訂案”にはレアアース金属禁輸措置に係る記載無し

 9月2~4日の間、北京・北京天倫王朝酒店にて、中国五鉱化工貿易商会及びMETAL-PAGESの共催で“2009年国際希少金属・レアアース年会”が開催された。年会には、中国をはじめ日本、豪州、カナダ、アメリカなど16か国、129名の参加があった。
 3日午前、年会において中国・工業信息化部原材料司金属材料二処・王彩鳳副巡視員より『中国稀土類産業の政策概要』と題する講演があった。また、王氏は講演の中で、「一部インターネット・ニュースにより工業信息化部による『希土類工業発展計画(2009-2015年)改訂案』の中に“レアアース金属の輸出禁止が記載されている”との報道に関し、そのような輸出禁止措置の記載はない」と明言した。
 <講演要旨>
 ・2008年3月の全人代決定による行政機構改革により新たに発足した工業信息化部は、それまで国家発展改革委員会の所管であった有色(非鉄)金属、金、希少金属、レアアース等の業界の管理を所管することとなった。業務のうち希少金属及びレアアースについては、採掘量及び製錬・分離製品の年産量・輸出総量計画の立案、生産・技術の監督、統計管理などを一元的に行う。
 ・工業信息化部は、発足以来、レアアースの開発・採掘・生産・環境保護等状況の現地調査を実施し、現状を把握した。これにより、開発・採掘が粗放であり、資源が有効利用されていないこと、一部では環境汚染発生などの問題が判明した。
 ・現在、工業信息化部は、『希土類工業発展計画(2009-2015年)改訂案』を作成し、国務院関係部署に意見を伺っているところである。この計画改訂案は、国家発展改革委員会が2007年に作成した『希土類工業中長期発展計画(2006-2020年)』を基に、中国レアアース工業の科学的発展、世界のレアアース工業発展に資することを目指し作成したものである。可能な限り迅速な当該計画の公表を実施したい。
 <『希土類工業発展計画(2009-2015年)改訂案』の骨子>
 ・外国からの投資については新材料開発、レアアース製品の高度加工及び実用製品の研究開発を奨励している。
 ・製錬分離分野については、2002年4月1日に発効した『外国投資指導方向規定』により規定発効以前に認可されたものを除き、外国企業による単独投資は禁止されているが、合資・合作は可能である。
 ・なお鉱山開発については、外国企業による投資は禁止されている。
 ・資源の乱掘を防ぎ、有効利用を図るため、国内企業・海外企業を問わず新規投資案件の審査・認可業務はこれまでの省・自治区政府に替わり、国により実施されることとなる。
 ・業界の自律強化、企業権益保護のため、政府と企業の架け橋として『中国希土類協会』の設立を積極的に推進している。

 また、9月4日、以上の関連記事として中国有色網(9月4日付)は、王 彩鳳副巡視員のインタビューの答弁を次のように伝えた:「政府が提案する年度輸出割当量の削減計画では、ジスプロシウム及びテルビウムについては生産量も少なく、これら金属の輸出量制限をする予定であるが、輸出禁止は実施しない。また、輸出可能な代替金属を探している。」

ページトップへ