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ニュース・フラッシュ

2009年11月27日 調査部 渡邉美和

北朝鮮・中国:中国企業によるレアメタル等資源の採掘を警戒

 11月26日、中国の現地報道は北朝鮮内の鉱物資源について中国が進めている採掘に関して、北朝鮮が中国に対する警戒感を抱いていると報じた。
 中国の朝鮮問題に関連する消息筋によると、北朝鮮は、目下、外資が関連した鉱物資源の輸出を制限し、その管理を強化している。その背景として、中国企業による北朝鮮の鉱物資源採掘の活発化があるとしている。
 中国の延吉市で10月に開催された国際会議の席上、朝鮮社会科学院経済研究所の金哲准所長は「鉱物資源を加工することにより輸出価格を引き上げることができる。価格の安い未加工の鉱物資源の輸出は国家としての損失である」と語り、北朝鮮において現在行われているような未加工資源の輸出を制限する可能性に言及した。中朝貿易関係者によると、依然として鉄鉱石などは、未加工のまま中国に輸出されている。
 韓国統一部などの推定によれば、北朝鮮の鉱物資源は鉄鉱石やモリブデンのほか、その他レアメタルの資源量も大変豊富と言われている。一方、消息筋によれば北朝鮮には資金も技術も不足していて、開発採掘された鉱物資源の加工はできていない。実際、2005年に中国企業は、北朝鮮の咸鏡北道の茂山鉄鉱石鉱山の50年に亘る開発採掘権を取得している。また、韓国経済報紙の推測によれば、北朝鮮に対する海外投資の8割は中国であり、これまでに判明している投資額は5,290億ウォンに達するという。中国の通関統計によれば、2008年の北朝鮮の対中国輸出額は7.6億US$、その内58%が鉱物資源である。
 中国吉林省の延辺大学の中朝関係の専門家が指摘するところでは、「対(北)朝鮮投資は政治の影響を受け易く、リスクは高い。しかし、英国のほか、今月特使を派遣したフランスも朝鮮資源産業に関する交渉を開始している。中国からの投資が更に多くなることは、他国による占有に先んじる先行投資である」という。
 このような動きに対して韓国も貴重な“民族資源”が将来中国に奪われてしまうことの警戒感を抱いている。メディアは「このままでは中国に呑みこまれてしまう」とも報道している。韓国現代経済研究院の崔盛根研究院は「中国は地方経済振興のために、北朝鮮を中国の東北三省の資源基地として中国経済に組み込もうとしている」と危機感を表わしている。

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