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ニュース・フラッシュ

2009年12月14日 ロンドン 萩原崇弘

DRCコンゴ:国連安保理DRCコンゴに対する制裁措置延長・拡充を決定

 公表資料及び報道によれば、国連安全保障理事会は、11月30日、DRCコンゴ東部の反政府勢力に関連した制裁措置を拡充し、その期限について2010年11月30日まで延長するとの決議を満場一致で承認した(Resolution 1896(2009))。
 今回の安保理決議では、国連加盟国に、金や鉱物資源の輸入者、製錬事業者、及び消費者に対して、DRCコンゴ産または供給元不明の資源が使われている場合、鉱物資源の購入先、供給源などのいわゆるサプライチェーンを証明するよう引き続き求めているが、同時に、そのための調査勧告権限を国連の専門家グループに委ねるとの決定もされている。なお、同グループは、特にDRCコンゴ東部の北・南Kivu州、Ituri州及びOriental州を中心に活動予定である。
 もちろん、同決議には、制裁の対象となる具体的な国や企業名は含まれていない。しかし、国連から数週間後に発表予定の専門家による報告書によれば、ウガンダ、ルワンダ及びUAEの各国がDRCコンゴ産の鉱物の密輸の中継先となっていると非難されている模様である。また、同報告書では、輸出の制裁措置を講ずべき具体的な企業名として、Malaysia Smelting Corp, Thailand Smelting & Refining Co., Amalgamated Metal Corp.(AMC(UK企業))などの名前が挙がっている。なお、AMCのタイのスズ製錬所部門(Thaisarco)は、2009年5月にDRCコンゴ東部からのスズ等の鉱物資源の購入を中止することを表明し、9月末にはこれ以上購入しないと発表していた。
 一方、今回の国連決議に関して、香港の企業RMMCは、スズの購入先企業をAfrican Ventures Ltd.(AVL).であるとした上で、在英のスズの業界団体であるITRI(国際スズ研究所)及び国連からの専門家が実施する原産地証明により、DRCコンゴの別の地域からの鉱石であることを証明すれば、DRCコンゴとの取引は継続可能であると述べている。
 以上のとおり、今回の国連決議については、DRC産の鉱物資源全てを輸出禁止する訳ではないと解釈できるが、実務における動向に引き続き注目することが必要である。

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