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ニュース・フラッシュ

2009年12月22日 ロンドン フレンチ香織

欧州:EU原料確保戦略への候補物質49種を査定

 2009年12月1日のEuroactivによれば、欧州委員会によって設立されたワーキンググループは、2008年11月に発表した「原材料イニシアチブ(Raw Material Initiative)」の一環として、先ずは世界全体で資源確保の競争が激化し得る原料ターゲットを絞るために、候補物質の49種を査定し始めた。2008年11月時点では、コバルト、リチウム、レアアースを含む20種のみが列挙されていたが、将来の通信産業、航空産業、その他の再生可能エネルギーや、温室効果ガス削減に関連するハイテク産業に要する資源競争の分析が進み、考査する候補物質が増えたと推測されている。なお、EU関係者によれば、現在検討されている候補物質のなかの40%は自動車産業、30%は航空産業に利用される物質とされている。今後、特に雇用機会及び産業部門の付加価値の点から、原料の欧州経済への重要性を考察し、2010年5月には、欧州委員会が本リストを含む『戦略的な原料』に関する報告書を提出。同年6月には本報告書が承認され、EU議長国のスペインへ提出される予定で、2010年末までには本戦略に向けた原料リストが完成される計画である。
 本イニシアチブは、[1]歪曲の無い市場を通じての原材料へのアクセス確保、[2]欧州域内供給源からの持続的な原材料供給の促進、[3]欧州における一次原料使用の削減の3本柱からなる。2009年5月の本イニチアチブに関する会合では、「先ずは資源利用の効率化を目指し、リサイクルなどを利用して、一次資源の消費を減少させることが目標」と合意されている。また、同年には、スウェーデンがノルウェーを含むバルト海周辺地域全体の金属鉱石埋蔵量の約50%を占めているため、スウェーデンの地質調査所が、本イニシアチブのサポートの一環として、EU圏内の資源量推定値を発表していた。
 本イニチアチブに関わるコンサルタントは、「原料戦略イニシアチブはあくまでも政令・規制では無く、イニチアチブであり、また、これは環境総局または通商総局では無く、企業・産業総局が管轄しているため、予算枠の狭い中で施行されている」と分析する。また、「備蓄に関しても、予算不足で、また、全ての欧州諸国が関与する統制方法を決定するのは極めて困難として、先ず無い」と述べる。現在は、ワーキンググループが戦略的原料に関するデータを収集・分析し、具体案を模索しているところと推測し、今後、本イニチアチブがどれだけの拘束力を有し、影響していくのかが注目されている。
 参考資料:
http://www.euractiv.com/en/sustainability/eu-starts-screening-raw-materials-critical-list/article-187791

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