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ニュース・フラッシュ

2010年2月16日 調査部 上木隆司

モンゴル:政府は、Tavan Tolgoi原料炭・一般炭鉱床の49%権益売却を見直し100%所有

 現地新聞等によれば、第1回モンゴル経済フォーラム(※1)において、Batbold Sukhbaatar首相(2009年10月、Sanjaa Bayar前首相は健康上の理由により辞職し、当時Batbold外交・貿易相が首相に就任)は、2月8日、大規模な原料炭・一般炭鉱床であるTavan Tolgoiはじめ15の戦略的鉱床(※2)は、ケースバイケースの判断において、100%モンゴル政府の所有下に置くべきとの意向を表明した。報道内容によれば、前週より流れていた噂「モンゴル政府は、Tavan Tolgoiの49%権益を売却する計画を取下げ、その代わりにコントラクト・マイニングや生産シェアリング制度を選択する意向らしい」を裏付けることとなった。同首相が述べたところ、「コントラクト・マイニングは、米国、豪州はじめ世界各国で広く行われており、モンゴルにおいても有効と考えられる。我々は、外国投資に関し適切な条件を如何にして創設し得るのかを考えなければならない。現在、本件に関するタスクフォースを設置して検討中であり、その結果は議会に報告されることになっている。」
 モンゴル政府は、Tavan Tolgoiを含め15の戦略的鉱床を指定し、政府が51%以上の権益を取得し、49%は民間企業に売却されることで手続が進んでいた。今回の同首相の発言内容が実行に移されると、モンゴル国内の大型鉱山開発案件の進捗等に影響を与えると共に、政府は自身で開発資金を調達しなければならないことになる。Tavan Tolgoiの49%権益売却については、Anglo American、BHPB、Vale、Peabody Energy、Jindal Group、及びChina Shenhua Energyといった企業が応札者として関心を寄せているとされている。
 生産シェアリング合意下では、鉱山会社は鉱山開発費を負担し、売上高は政府と配分することになる。鉱山会社は鉱床の所有権を得られず、契約期間は15年以上とされるが、鉱山会社の関心は継続している。
 コントラクト・マイニング契約においては、政府自身で開発費の資金調達を行い、採掘・選鉱・製錬は鉱山会社に発注する業務形態となる。Tavan Tolgoiあるいはその他のプロジェクトに同方式を採用することは、財政難の政府にとって巨額の開発資金を自ら調達することを意味し、大きな負担となる。
  Tavan Tolgoi炭鉱開発プロジェクトは南Gobi砂漠に位置し、原料炭の埋蔵量は65億tとされ、一部は政府資金により既に開発されている。
 (※1)モンゴル経済フォーラム
 Batbold首相の提案により、モンゴル大統領とモンゴル国会が主催し2月8、9両日、ウランバートルで開催された。モンゴルの大統領、首相、国会議員をはじめモンゴルのトップ政治家、ビジネスマン、様々な分野を代表する学者らが参加し、モンゴルの経済問題について議論する場を提供することを目指すとされている。同フォーラムで議論した内容、改善策などは今後のモンゴルの経済戦略に大きな影響を与えると見られている。
 (※2)15の戦略的鉱床
 モンゴル政府が探鉱に関与した15の大規模な石炭及び金属鉱床について、政府権益51%、外資を含め民間企業49%として開発する特定鉱床。

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