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ニュース・フラッシュ

2010年3月23日 シドニー 原田富雄

豪:中国による資源分野への投資の危機感が薄まる

 2010年3月16日、Ferguson連邦資源エネルギー・観光大臣は、Smith連邦外務大臣、Crean連邦貿易大臣が列席する中、キャンベラの国会議事堂で開催された“Australia China Business Council (豪中ビジネス委員会)”において、参加した両国産業界の代表者に対し、インフラも含めた豪州資源分野への中国からの投資を歓迎するとのスピーチを行った。この中で、中国は2008/09年度の二国間貿易額830億A$の内、豪州から中国への資源エネルギーの輸出額は330億A$と輸出額全体の1/3を占めるに至る重要なパートナーであり、中国投資による豪州資源分野への貢献を絶賛した。
 世界金融危機の影響により資金難に苦しむ豪州資源企業のM&Aに関し、豪州国内資源の国益管理の観点から批判のあった中国投資であるが、先進国の中で世界金融危機の影響からいち早く回復した豪州経済は、中国需要に支えられた側面もあり、今後も経済発展が続く中国との関係を最重要とする政治的側面が大臣発言の中に垣間見える。特に、Rio TintoとChinalcoとの戦略協定の破談をきっかけに中国との関係が悪化したが、外国投資を審査するFIRB(外国投資審査委員会)の対応にも問題があったとして、FIRBを管轄するSwan財務大臣は、外国投資家に理解され易いガイドライン作成(注:2009年9月にAustralia’s Foreign Investment Policyと称するガイドラインを発表)を指示するなど、中国との関係改善を政治主導で行ってきた。こうした関係改善努力に伴い、このところ資源大手を中心に資本及び探鉱投資額が順調に回復しており、今後到来するとみられる資源ブーム時に不足が予測される鉱山やインフラ開発資金に対する中国からの投資の期待感から、国内世論の中で中国投資に対する風当りは以前に比べ身を潜めた感もあり、資源分野における中国投資がより一層進展して行くものと考えられる。

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