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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年3月30日 サンティアゴ 菱田 元

チリ:CODELCO、Inca de Oro銅鉱床の契約についての論争

 3月22日付け地元紙等によると、チリのFTC(銅鉱業労働者組合連合)のRamundo Espioza会長は、CODELCO所有のInca de Oro銅鉱床に関わるCODELCOと豪州企業PanAust(本社:豪Brisbane)との契約について上院議員Baldo Prokurica氏が批判したことを受け、CODELCOの一役員としてこの契約に反対票を投じたと述べた。
 3月17日付けの発表では、PanAustが45百万US$でこの鉱床の66%権益を取得できるオプション権を持つこの契約について、「不当な価格で、チリ北部第Ⅲ州の鉱業の富の大きな損失である」とコメントし、「Inca de Oro鉱床と酷似した鉱床が10倍の450百万US$以上の価格で以前に売却されていた」と述べた。
 Baldo Prokurica上院議員は与党・国民革新党のチリ第Ⅲ州代表で、CODELCO役員会がこの契約を許可したことを批判していた。また、Prokurica上院議員はEspinoza会長に対し、CODELCO労働者を代表する役員会メンバーとして、どのような経緯でこの契約を認める票を投じたか明らかにするよう要求していた。
 これに対し、Espinoza会長はProkurica上院議員の声明を拒否し、「Prokurica上院議員がこの件でCODELCO役員会がとった行動を問題にしているが、そのこと自体が受け入れ難い」と述べた。Espinoza会長は、FTCの立場はチリ第Ⅲ州においてCODELCOが100%権益を有する鉱山や製錬所の設立を支援し、この地域の持続的発展を確実なものにすることで、この契約には反対票を投じたと述べた。「我々はInca de Oroのような中規模銅鉱床は、CODELCOによって容易に操業されると考えている」と付け加えた。
 Espinoza会長は、この契約を中止するためProkurica上院議員に力になるよう呼び掛け、鉱業大臣、財務大臣、Piñera大統領がこの契約を拒否するよう働き掛けることをProkurica上院議員に要請した。また、Espinoza会長は、Prokurica上院議員のInca de Oroに対する批判は、Piñera大統領が大統領選挙キャンペーン中に行ったCODELCOの株式20%を民間に売却するとの提案と矛盾するので、自らの立場を明らかにすることも要求した。Inca de OroについてのCODELCO役員会の決定については、野党社会党のチリ第Ⅲ州代表Isabel Allende上院議員も反対している。
 国際入札後、PanAustによる提案は2010年2月末にCODELCO役員会で承認され、その後Piñeraa政権が発足した。2008年に開始した前回の国際入札では、世界金融危機の影響で関心ある企業が資金的問題を抱えることになり、2009年3月時点で落札者が無かった。CODELCOは開発の遅れを避けるため既に設計を開始し、世界経済の回復を待っていた。
 Inca de Oro銅鉱床はCODELCO Salvadorディビジョンの近傍に位置し、現在プレFS段階にある。硫化鉱の鉱量250百万t、品位Cu 0.46%で、金・銀・モリブデンを含む。最近の評価では、露天掘でマインライフ10年、年産銅量50,000t、金量40,000 oz(約1.24t)とされている。
 PanAustは、ラオスで銅・金山を操業し、ラオスとタイで数多くの鉱床を有している。

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