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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年4月17日 リマ 山内英生

ペルー:Tia Maria銅プロジェクト反対デモが幹線道路を封鎖、公聴会3度目の中止へ

 Tia Maria銅プロジェクト(Southern Copper社)に反対するArequipa県Islay郡の自治体や農民組合、社会団体は、4月13日、同プロジェクトの中止を求めて無期限抗議デモを開始、4月19日時点でパンアメリカン・ハイウェーの封鎖による抗議運動が6日間にわたり展開されている。
 Southern Copper社は2009年7月に同プロジェクトの環境影響評価(EIA)をエネルギー鉱山省(MEM)に提出、EIA承認のプロセスでは、公聴会を開いて地元自治体や住民によるEIA及びプロジェクト内容の説明を実施し、その内容に関して影響下地域と企業、MEMの間での調整が行われた後、最終的にMEMが承認を行う仕組みとなっている。
 しかし、Islay郡のCocachacra区、Dean Valdivia区を中心に水資源不足や環境汚染を懸念するプロジェクト反対意見が根強く、これまでに、公聴会は今回(4月19日)に予定されていたものを含めて計3回の中止を余儀なくされている。また、2009年9月には、地元自治体においてプロジェクトの是非を問う住民投票が実施され、80%の住民がプロジェクトへの反対を表明している。投票結果に法的拘束力はないが、地元の根強い反対を反映する結果となった。これまでの経過は以下のとおり。

 2009年7月: EIA提出
 2009年8月: 公聴会が住民問題で中止、2010年2月15日に延期
 2009年9月: 住民投票の結果、住民80%がプロジェクト反対を表明
 2010年2月: 公聴会が住民問題で再度中止、4月19日に再延期
 2010年2月から現在までにMEMはArequipa県内で5回にわたる協議会を開催するも合意に至らず
 2010年4月14日~:抗議デモ発生、4月19日予定の公聴会開催が中止

 なお、抗議初日には約3千人のデモ隊がパンアメリカン・ハイウェーの封鎖を行い、Garcia大統領に対してプロジェクト中止を訴えた。市民オンブズマンとIslay郡検事が抗議行動に立会い、暴力行為の抑止に努めた。
 4月16日の新聞報道で、Sanchezエネルギー鉱山大臣は、Tia Maria銅プロジェクトはIslay郡の農業における水や土壌に対し、悪影響を及ぼさないとした一方で、Southern Copper社には、プロジェクトがもたらす影響は最小限であるとの情報を、地域農民の人々に効果的な方法で周知する十分な努力が不足していたとの考えを示した。更に、MEMは同プロジェクトによるTambo川や地下水の利用は許可しない方針であり、同社は海水利用又は貯水池を建設することで水資源を確保しなければならない旨を指摘した。
 一方、4月16日時点で抗議デモ参加者は7千人、ハイウェーの閉鎖区間は10 kmを超え、要求が満たされない限り抗議行動を継続すると主張し、これに対してQuesquen首相は道路封鎖解除が対話の条件であるとして封鎖行為を非難した。また4月17日には市民オンブズマンが道路封鎖の即時解除を呼びかけ、MEMは4月19日に予定されていた公聴会の中止を発表した。
 4月19日時点でデモ抗議による道路封鎖は6日目に突入、10 kmにわたるパンアメリカン・ハイウェーの封鎖により、ボリビアやアルゼンチン、チリとの輸送がストップし多大な経済被害をもたらしている。

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