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ニュース・フラッシュ

2010年8月24日 ロンドン フレンチ香織

DRCコンゴ:ENRC、論争が起きているKolweziプロジェクトに参画

 カザフスタン非鉄大手のENRC(LSE上場)は8月20日、175百万US$でCamrose Resources社の株50.5%を買収すると発表した。ENRCはすでに50百万US$のキャッシュ払いを完了しており、残りの125百万US$は今後9~24か月以内に出資される予定である。加えて、同社は、Camrose社に対して400百万US$の融資も設ける。
 Camrose社は、Africo Resources社やComide社の過半数以上の株を有しており、DRCコンゴで、複数の銅コバルトプロジェクトの採掘権を有する。特に話題となっていることは、同社は、KMT(Kingamyambo Musonoi Taling、別名=Kolwezi Tailings Site)銅プロジェクトの権益70%を有するHighwind Group社(Israelの投資家経営)の完全親会社であるため、Camrose社への出資によって、ENRCは本プロジェクトへ参画することとなる。
 KMTプロジェクトは、First Quantum社が2007年末にDRCコンゴ政府の鉱業権の見直しによって鉱業権を没収されたプロジェクトである。First Quantum社は不条理に撤回されたとして、国際調停の準備を進めながら、本プロジェクト(開発費750百万US$相当)の建設を続けたが、2009年9月に同政府より強制閉鎖を命じられた。その後も、First Quantumは、同プロジェクトの共同出資機関である世銀系IFCや南ア産業開発公社(IDC)等と共に、本件の国際調停を続け、ENRC本発表の一日前である2010年8月19日には、パリのICC(International Chamber of Commerce)が、DRCコンゴおよびGecaminesによるKMTプロジェクトの採掘権の譲渡を禁止したところであった。First Quantum側は、ICCの命令により、「ENRCの参画は無効」と訴える一方、ENRC側は、「正当な適性検査はすでに完了しており、DRCコンゴ政府のFirst QuantumへのKMTプロジェクト鉱業権の撤回は法廷ですでに決着しているので、本プロジェクトの参画に確信している」と主張し、両者の意見が対立している。
 なお、ENRCは2009年12月、同国に銅・コバルトの3鉱山を有するCAMEC社(英)を890百万£(1,390百万US$)で100%買収。DRCコンゴで生産された銅・コバルトを低コストで製錬するためにも、ザンビアのChambishi製錬所の権益90%も獲得している。KMTプロジェクトは、CAMECの買収を通じて取得したアセットに隣接しており、今後も南アおよびジンバブエの石炭プロジェクトを狙っているとして、アフリカでの権益獲得に拍車をかける。

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