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ニュース・フラッシュ

2010年9月20日 サンティアゴ 神谷夏実

チリ:San Jose鉱山での落盤事故、先進ボーリングが坑道に到達

 チリ政府鉱業省は、9月17日、落盤事故が起きたSan Jose金銅鉱山で実施されていた救出用の2本の先進ボーリングのうちの1孔が、地下の坑道に貫通したと発表した。先進ボーリングは直径30cmで、今後救出が可能な直径70cmまでの拡幅作業が行われる。
 San Jose金銅鉱山(コピアポ北西30 km、坑内採掘、San Estaban社保有)において、2010年8月5日に坑内崩落が起き、地下700m地点に坑内作業員33名が閉じ込められ一時絶望視されたが、避難所とされている地点までの試錐に成功し、8月22日に33人が全員無事であることがわかった。坑内作業員たちは脱水症状、栄養失調等の症状を示しているものの、地上から食料、医薬品等を掘削孔を通して送り、全員元気な状態で救助を待っている。
 救出方法として、地上から直径70cmの掘削孔を掘り、一人づつカプセルに入れて引き上げる方法が決定され、3台の掘削機械により同時に掘削を行う方法がとられることとなった。それぞれの掘削は3つの異なる角度から行うが、Plan Aは8月30日、Plan Bは9月5日より開始され、Plan Cは9月20日頃に掘削開始の予定とされている。
 Plan A(推定堀進長700m)は避難所の真上から垂直に掘削、Plan B(推定堀進長620m)は-80°で地下のメンテナンスワークショップをめざす。現在の計画では救出は早くて11月初頭、遅れれば12月にずれ込むと予測されているが、鉱業大臣は見通しは楽観的としている。Plan C(推定堀進長600m)は、石油用の大型掘削機で最も速く掘削が可能であるが、機材調達が遅れており、掘削開始は9月18日の予定で、坑道へのダメージを考慮し避難所からやや離れた地点を目指して掘削を行う予定である。
 なお、鉱山を経営するSan Esteban社は、事故発生直後に事故対策経費の負担が出来ないことを表明している。同社は、避難用の坑道を用意していなかったことでも批判されている。救出作業は政府の支援の他、民間鉱山会社が自主的に提供する人員、機材によって実施されているとみられる。一方、Pinera大統領は、最近支持率が低下傾向にあったが、この事故に対する国民の関心が高いことから、事故発生直後に現地入りし、積極的な事故への支援表明を行った。33人の坑内作業員は国民的ヒーローになっており、現に33人の生存確認後、大統領支持率が上昇したと伝えられている。
 チリはこの9月18日に独立200周年を迎え、17~20日が連休となっており全土が祝祭ムードに包まれている。Pinera大統領は、9月19日午後のサンティアゴでの記念パレードに先だち、同日午前からSan Jose鉱山を訪問し坑内作業員や家族を激励したが、その姿が全国放映されており、大統領の政治的なイメージ作戦も見え隠れする。

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