閉じる

ニュース・フラッシュ

2010年10月18日 サンティアゴ 神谷夏実

チリ:San Jose鉱山坑内作業員33人、無事救出

 「Estamos Bien」という地底からの衝撃的なメッセージで始まった、チリSan Jose鉱山の坑内作業員の救出劇は、2010年10月14日に全員無事救出され幕を閉じた。高さ2.5mのカプセルで地底700mの坑道から吊り上げる方法による救出作業は、チリ国内ばかりでなく世界中に中継されたが、10月13日夜最終段階を迎え、10月14日午前0時10分に一人目の作業員が地表に救出された。カプセルの往復は、上下とも片道約15分かかり、おおよそ1時間に一人のペースで救出が続けられ、最終的に10月14日22時0分頃に全員が救出された。
 JOGMECサンティアゴ事務所では、救出作業を技術面から統括したCODELCOより今回の事故について聴取した。San Jose鉱山は1889年から採掘が始まった古い鉱山である。鉱床は急傾斜に発達した銅金鉱脈型鉱床(傾斜85度、脈幅2~4m、走向延長150~500m、開発深度800m)である。このため坑内には大規模な採掘跡が空洞として残り、その周囲には斜坑坑道がらせん状に配置されているところ、8月5日の昼に起きた大規模な崩落により、斜坑坑道が使用不能になったという。ただちに9孔のボーリングにより地下の坑道を目指して掘進が始められ、このうち4孔目の試錐が坑道に貫通することに成功し、8月22日(事故発生後17日目)の坑内作業員の生存発見につながったという。その後3孔の試錐孔(直径12㎝)を使い、通信、物資のやり取りを行った。
 本格的な救出方法として、当初は地表から坑道を掘削することも考えられたが、距離が長すぎ現実的でないことが分かった。結局、Raise Boringマシンを使い、大口径の掘削孔(直径66㎝)を掘り、作業員をカプセルに入れて釣り上げる方法が決定され、まず2孔(掘進開始日は、Plan Aは8月30日、Plan Bは9月5日)の掘進が始まった。Raise Boringマシンはトラック搭載型で比較的早く現場に搬入することができた。一方より早く掘進できる石油探査用の試錐機(Plan C)がチリ北部のイキケにあることがわかり、これを使おうとしたが、大型で試錐座の設置に手間取り、掘削開始が9月10日と遅れた。掘進作業は比較的順調に進み、9月18日にPlan B試錐機の先進孔が坑内まで貫通し、その後直径66㎝までの拡幅作業が行われた。鉱床母岩は安山岩、イグニンブライトである。

ページトップへ