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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2010年10月19日 シドニー 原田富雄

豪:BHP Billiton、Rio Tinto、WA州Pilbara地域の鉄鉱石生産統合を解消

 2010年10月18日、BHP Billiton及びRio Tintoは、2009年12月5日に締結したWA州Pilbara地域における鉄鉱石の生産統合事業に向けた合意を解消すると発表した。
 2009年6月5日、両者の生産事業統合に向けた動きが生じて以降、鉄鉱石の需要家である日本、中国、EU等の鉄鋼メーカーから統合反対の姿勢が示され、各国の公正取引委員会に当たる関係当局による承認審査が行われてきたが、これら鉄鉱石輸入国の規制当局に加え、豪州の公正取引委員会に相当するACCC(豪州競争消費者委員会: The Australian Competition Consumer Commission)からも慎重な審査を受けるなど、統合の承認が容易でないとの見通しになったことが解消の理由としている。
 一方、昨今の鉄鉱石価格の高騰を背景として、2010年H1の両社鉄鉱石部門の利益は前年比で好転しており、生産量や輸送インフラでBHP Billitonに勝るRio Tintoは、各国の鉄鋼メーカーや規制当局を敵に回してまでも事業統合するメリットはないと判断したことも今回の解消を後押ししたものと考えられる。なお、各国の規制当局が統合に難色を示す中で、妥協点として両社が打ち出した鉄道、港などのインフラ設備の共同利用(プランB)に関しても理解が得られる見通しは立たず、現在の状況下では、独自に鉄鉱石生産増強に向けた投資を行っていくと見られている。
 振り返れば、2007年11月8日、BHP Billitonにより発表された総額1,400億US$に及ぶRio Tinto買収提案は、世界金融危機の影響により発表から1年後の2008月11月25日、BHP Billiton自らが買収を断念するという幕引きに終わっている。今回の生産統合は、世界金融危機による後遺症の影響が残る中で発表されたが、その後の資源ブームにより、両社の経営が上向く中で統合が解消されただけに、これまでの両社統合の動きは景気の波に左右されるという皮肉な結果に終わっている。ただし、両社鉄鉱石部門の動きに関しては、鉄鉱石価格は豪州産の鉄鉱石の6割を輸入する中国の景気動向の影響を受けやすく、中国の経済動向や今後の鉄鉱石市況に注目する必要がある。

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