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ニュース・フラッシュ

2010年11月1日 ロンドン 萩原崇弘

ドイツ:ドイツ第3回官民の原材料政策対話を開催、レアアース等の安定供給に議論が集中

 2010年9月26日、ドイツ・ベルリンで開催された第3回官民の原材料政策対話が開催され、Bruederle経済技術大臣、Lamy・WTO事務局長、Keitelドイツ産業連盟会長を始めとした関係者により、以下のような議論が行われた模様である。
 ドイツ産業の関心事項である中国のレアアースの輸出規制問題について、欧州委員会Gucht議員(通商問題担当)の主席顧問であるHoffmeister氏からは、対中国に対する法的な措置について、「我々は非常に注意深く状況を監察しているところである。我々にとって明らかな事実関係を把握することが必要である。」と述べるとともに、OECDは原材料分野における複数国間の秩序を構築し、拡大するための効果的なフォーラムであるとして、原材料の貿易を確保するためのルール作りをOECDに委ねる意向を表明した。なお、欧州委員会は、会議前日の10月25日、貿易障壁に関する報告書を発表し、その中で中国の輸出制限措置についても取り上げている(現時点でのEUの対中国のWTO提訴の項目の中にレアアースは含まれていない)。
 一方、Lamy・WTO事務局長は、中国のWTO提訴問題には触れず、ドーハラウンドが妥結していたならば、原材料の輸送、持続的採取や関税に関するルールができていただろうと述べ、膠着状態にあるWTOドーハラウンドの妥結が原材料不足への不確実性を取り除く道であると教示した。
 こうした中、Keitelドイツ産業連盟会長は、「原材料問題は地政学上の争点となった。ドイツとしては、独自の国際的な原材料政策を取りまとめる必要がある。」と述べた。一方、企業経営者からは、「WTO提訴には時間がかかりすぎる。」、「ドイツ政府はすぐにでも中国、中央アジア、アフリカ等からの資源確保を図るべきであり、ロシアや中央アジアの資源にも着目するべきである。」等、政府への早急な対応を求める意見が出た。
 Bruederleドイツ経済技術大臣からは、「ドイツは、エネルギー資源やレアアースの供給不足により深刻な影響を受けている。(エネルギー資源やレアアースへの場合のように)投機が蔓延すると経済は基盤を失ってしまう。こうしたことは、製造業にとって有害である。(これらのコモディティの)価格決定の枠組みについては、引き続きアジェンダとして取り上げていかなければならない。」と強調していた。

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